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第4章 · Azure のストレージ・ID・セキュリティ·v2.0.0·更新 2026/6/16·読了目安 約15分

変更要約: AZ-900 第4章を新基準で拡充し、ID節にセキュリティ(ゼロトラスト/多層防御/Defender for Cloud/RBAC/外部ID)を網羅補完

4.2ID・アクセスとセキュリティ

この節の要点

Microsoft Entra ID を中心に、認証と認可の違い、MFA/SSO/パスワードレス・条件付きアクセス・RBAC・外部ID、Entra ID と AD DS の違い、そしてゼロトラスト・多層防御・Microsoft Defender for Cloud といったセキュリティの基本を理解します。

クラウドを安全に使う土台が ID(アイデンティティ) です。境界(社内ネットワーク)で守る時代から、「ID こそが新しい境界」という考え方へ移りました。この節では、ID 管理(認証・認可・Entra ID・RBAC)と、それを取り巻くセキュリティの考え方(ゼロトラスト・多層防御・Defender for Cloud)をまとめて押さえます。

4.2.1認証と認可

「あなたが誰か」を確かめる 認証(AuthN)と、「何にアクセスできるか」を決める 認可(AuthZ)は別の概念です。順序は必ず 認証 → 認可:まず本人と確認し、その後に「このリソースを操作してよいか」を判断します。試験ではこの2語を入れ替えた選択肢が頻出です。

観点認証(AuthN)認可(AuthZ)
問いあなたは誰か?何ができるか?
手段サインイン・MFA・パスキーRBAC・ロール割り当て
順序

機密情報の保護には Azure Key Vault を使います。API キー・接続文字列・証明書・暗号化キーを安全に一元管理し、アプリやサービスはコードに秘密を直書きせずマネージド ID 経由で取得します。アクセスは Microsoft Entra ID と RBAC で制御します。

認証(誰かを証明)の次に認可(何にアクセスできるか)が来る流れと、それらを担う Microsoft Entra ID(MFA・SSO・条件付きアクセス)を表した図。
認証 → 認可と Microsoft Entra ID

4.2.2Microsoft Entra ID と認証の強化

  • Microsoft Entra ID(旧 Azure AD):クラウドのID/アクセス管理サービス。ユーザー・グループ・アプリのサインインを管理。
  • 多要素認証(MFA):パスワードに加え第二の要素(スマホ承認・コードなど)で本人確認を強化。
  • パスワードレス:パスキー・Windows Hello・Authenticator アプリなどで、パスワード自体を使わずより安全にサインイン。
  • シングルサインオン(SSO):一度のサインインで複数のサービスを使えるようにする。
  • 条件付きアクセス(Conditional Access):場所・デバイス・リスクなどの条件に応じてアクセスを許可/追加要求(例:社外なら MFA 必須)。
  • 外部 ID(B2B/B2C):取引先(B2B)や顧客(B2C)などの社外ユーザーを扱う仕組み。

4.2.3認可の仕組み:RBAC

認可を実際に担うのが RBAC(ロールベースのアクセス制御) です。「誰に(ユーザー/グループ)・どの役割を(閲覧者/共同作成者/所有者など)・どの範囲で(前章のスコープ:管理グループ〜リソース)」割り当てて権限を与えます。原則は 最小権限——必要な人に、必要な範囲で、必要なだけ。割り当てはスコープの下位へ継承されるため、広い権限は上位に当てると効きすぎる点に注意します。

4.2.4Entra ID とオンプレミスの AD DS

Microsoft Entra IDクラウドの ID サービスで、Web/SaaS アプリやデバイス向けに最新のプロトコル(OAuth/OpenID Connect/SAML)で動きます。一方、Active Directory Domain Services(AD DS)はオンプレミスのドメイン(社内の PC やサーバーを Kerberos/LDAP で管理)です。両者は別物で、Entra ID はドメイン参加やグループポリシーの仕組みではありません。ハイブリッド構成では Entra Connect で同期して連携できます。

4.2.5セキュリティの考え方

ゼロトラスト は「決して信頼せず、常に検証する(never trust, always verify)」という現代の指針です。社内ネットワークの内側だからと無条件に信頼せず、アクセスのたびに ID・デバイス・状況を検証します(条件付きアクセスや MFA はその実装手段)。これと対になるのが 多層防御(defense in depth)——防御を何層にも重ね、1つ破られても次の層で守る考え方です。

守るもの・例
ID とアクセスMFA・条件付きアクセス・最小権限
境界・ネットワークDDoS 対策・NSG/ファイアウォール
コンピュート・アプリパッチ・脆弱性対応・エンドポイント保護
データ暗号化(保存/転送)・アクセス制御

これらの状態をまとめて可視化・強化するのが Microsoft Defender for Cloud です。リソースのセキュリティ状態を採点(セキュアスコア)し、設定の不備や脅威を検出して改善を促します。責任共有モデルで自分が担う範囲(設定・ID・データなど)を継続的に評価し、優先度付きの是正策を提示する役割です。

シナリオ:社外からの不正ログイン対策。 全ユーザーに MFA を必須化し、条件付きアクセスで「見慣れない場所/デバイスからは追加検証」を要求(ゼロトラスト)。管理権限は RBAC で必要な人に必要な範囲だけ(最小権限)。全体の状態は Defender for Cloud のセキュアスコアで継続監視。複数層で重ねて守ります。

注意

混同に注意:
認証(誰か)認可(何ができるか)——順序は認証→認可。
Entra ID(クラウドID)AD DS(オンプレのドメイン)は別物(Entra ID はドメイン参加/グループポリシーではない)。
MFA(本人確認の強化)SSO(一度で複数利用)は目的が逆方向。

補足

Q. ゼロトラストと多層防御は矛盾しない? いいえ、補完関係です。ゼロトラストは「内側でも信頼せず毎回検証する」方針、多層防御は「守りを何層にも重ねる」構え。ゼロトラストの考え方を、多層防御の各層(ID・ネットワーク・データ等)で実践する、という関係です。

試験ポイント

認証=誰か/認可=何ができるかEntra ID=クラウドのID(MFA/SSO/パスワードレス/条件付きアクセス)Entra ID ≠ AD DSRBAC=役割で権限付与(最小権限・スコープ継承)ゼロトラスト=常に検証/多層防御=重ねて守る/Defender for Cloud=状態の可視化・強化 は頻出です。

4.2.6この節のまとめ

  • 認証(誰か)→ 認可(何ができるか) の順。認可の実装が RBAC(最小権限・スコープ継承)
  • Entra ID=クラウドのID。MFA/SSO/パスワードレス/条件付きアクセス/外部ID≠ AD DS(オンプレ)
  • ゼロトラスト=常に検証/多層防御=重ねて守る/Defender for Cloud=状態を採点・強化

進捗の記録にはログインが必要です。

理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. 「何にアクセスできるか(権限)」を決めるのはどちらですか?

Q2. 一度のサインインで複数のサービスを利用できるようにする仕組みはどれですか?

Q3. Microsoft Entra ID の説明として正しいものはどれですか?

Q4. 「決して信頼せず、常に検証する」というセキュリティの指針はどれですか?

Q5. リソースのセキュリティ状態を採点し、設定不備や脅威を検出して改善を促す Azure のサービスはどれですか?

Q6. RBAC(ロールベースのアクセス制御)の原則として最も適切なものはどれですか?

理解度を確認第4章「Azure のストレージ・ID・セキュリティ」の問題を解く

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