変更要約: AZ-900 第5章を新基準で全面拡充(コスト要因/見積り・追跡ツール/節約・Policy/ロック/RBAC/Purview/ランディングゾーン)
5.1コスト管理
クラウドのコストを左右する要因と、見積り(Pricing Calculator / TCO Calculator)・実績の可視化(Microsoft Cost Management)・整理(タグ)といったコストを管理するツールを理解します。
クラウドは使った分だけ支払う一方、構成しだいで費用は大きく変わります。コストを抑える鍵は3つの局面に分けて考えることです:作る前に 見積る、動かしながら 追跡する、そして 整理して節約する。まず何がコストを左右するのかを押さえ、各局面のツールを使い分けます。
5.1.1コストを左右する要因
| 要因 | 説明 | 節約のヒント |
|---|---|---|
| リソースの種類・サイズ | VMサイズ・ストレージ種別など | 適正サイズ(right-size) |
| リージョン | 地域で単価が異なる | 安い/近いリージョンを選ぶ |
| 稼働時間・使用量 | 起動時間・リクエスト数・保存量 | 使わない時間は止める |
| データ転送(egress) | 外向き送信は課金されやすい | 転送量・経路を見直す |
| ライセンス | OS/ソフトのライセンス費 | Azure Hybrid Benefit を活用 |
5.1.2見積り・追跡・整理のツール
コストのツールは「いつ使うか」で役割が分かれます。まだ作っていない構成の料金を試算するのが Pricing Calculator、オンプレミスからの移行で「自前 vs クラウド」の総保有コストを比べるのが TCO Calculator。これらは作る前の見積り用です。一方、すでに動いている環境の実際の支出を可視化・分析し、予算超過を知らせるのが Microsoft Cost Management。そして横断的にコストを分類するのが タグ です。
| ツール | 目的 | タイミング |
|---|---|---|
| Pricing Calculator | 構成の料金を見積る | 構築前 |
| TCO Calculator | オンプレ vs クラウドの総保有コスト比較 | 移行検討時 |
| Microsoft Cost Management | 実績の追跡・分析・予算/アラート | 稼働中 |
| タグ | 部門/プロジェクト別にコスト整理 | 常時 |
5.1.3節約の手段
- 予約(Reserved Instances / Savings Plans):1〜3年の利用を約束して大幅割引。
- スポット(Spot):空き容量を格安で使う(中断あり・バッチ向け)。
- Azure Hybrid Benefit:既存の Windows/SQL ライセンスを持ち込んで割引。
- オートスケール・適正サイズ・停止:需要に合わせ過不足をなくす。
シナリオ:開発環境のコスト削減。 開発用 VM は夜間・休日は使わないので自動停止(稼働時間の削減)。常時必要な本番 VM は予約で割引。コストはタグ(env=dev/prod)で分け、Cost Management の予算で超過をアラート。事前の Pricing Calculator 試算と突き合わせます。
混同に注意:
①Pricing Calculator(これから=見積り)とCost Management(実際=追跡)——「将来の試算」か「実支出の追跡」か。
②TCO Calculator は移行時のオンプレ比較専用。
③予約/スポット/Hybrid Benefit は節約手段で、見積り/追跡ツールとは別物。
Q. タグはコストだけのため? いいえ。タグはコスト集計に便利ですが、運用・自動化・ガバナンス(必須タグの強制は Azure Policy で)にも使う汎用のラベルです。コストはその代表的な用途の一つです。
Pricing Calculator=事前見積り/TCO Calculator=オンプレ比較/Cost Management=実績・予算/タグ=コスト整理、節約=予約/スポット/Hybrid Benefit/停止・適正サイズ は頻出です。「将来の見積り」と「実際の支出追跡」を取り違えないこと。
5.1.4この節のまとめ
- コスト要因:種類・サイズ・リージョン・稼働時間・データ転送(egress)・ライセンス
- Pricing Calculator(見積り)/TCO Calculator(オンプレ比較)/Cost Management(実績・予算)/タグ(整理)
- 節約:予約・スポット・Azure Hybrid Benefit・停止/適正サイズ/リージョン選択
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理解度チェック
(軽い確認用)Q1. オンプレミスとクラウドの総保有コスト(TCO)を比較するためのツールはどれですか?
Q2. 実際に発生した支出を可視化・分析し、予算やアラートを設定するサービスはどれですか?
Q3. リソースに名前付きラベルを付けて、部門やプロジェクト別にコストを整理する仕組みはどれですか?
Q4. 1〜3年の利用を約束することで料金を大幅に割り引く仕組みはどれですか?
Q5. 「これから作る構成の料金を事前に見積る」のに使うツールはどれですか?

