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第4章 · Azure のストレージ・ID・セキュリティ·v2.0.0·更新 2026/6/16·読了目安 約13分

変更要約: AZ-900 第4章を新基準で拡充し、ID節にセキュリティ(ゼロトラスト/多層防御/Defender for Cloud/RBAC/外部ID)を網羅補完

4.1ストレージサービス

この節の要点

ストレージアカウントと4つのデータサービス(Blob・File・Queue・Table)、Blob のアクセス層(Hot/Cool/Cold/Archive)、冗長性(LRS/ZRS/GRS/GZRS)、そしてデータ移行ツールを理解します。

クラウドのデータを置く器が ストレージアカウント です。1つのストレージアカウントの中に、用途の違う4つのデータサービス(Blob・File・Queue・Table)が同居します。データの性質は、保存コストを抑える「アクセス層」と、障害に備える「冗長性」という2つの軸でチューニングします。この2軸(コスト⇔可用性)を分けて理解するのが、この節の要点です。

4.1.1ストレージアカウントとデータサービス

ストレージアカウントは、4つのデータサービスをまとめて提供します。どれを使うかは「何を保存したいか」で決まります。なお、仮想マシンの OS/データ用ディスクは マネージドディスク(Blob を基盤とする専用サービス)で提供され、これらとは別枠です。

サービスデータの種類代表的な用途
Blob非構造化(オブジェクト)画像・動画・バックアップ・ログ
Fileファイル共有(SMB/NFS)複数マシンから共有マウント
Queueメッセージコンポーネント間の非同期連携
TableNoSQL キー値構造化データを安価に大量保存
ストレージアカウントの中に Blob・File・Queue・Table の4サービスがあり、Blob のアクセス層(Hot→Cool→Cold→Archive)と冗長性(LRS→ZRS→GRS→GZRS)の関係を示した図。
ストレージアカウントの構成・アクセス層・冗長性

4.1.2アクセス層(コストの軸)

Blob の アクセス層 は、「どれくらいの頻度で読むか」に合わせて保存コストを最適化する仕組みです。よく読むデータは Hot、めったに読まないデータは Cool/Cold/Archive に置きます。下の層ほど保存は安い反面、取り出しは遅く・割高になります(特に Archive は読み出しに「リハイドレート」という時間のかかる処理が必要)。

想定アクセス頻度保存コスト取り出し
Hot高頻度高い速い・安い
Cool低頻度(30日+)やや安いやや割高
Coldまれ(90日+)安い割高
Archiveほぼ読まない最安遅い・要リハイドレート

4.1.3冗長性(可用性の軸)

冗長性 は、データのコピーをどこにいくつ持つかで耐障害性を決めます。同一拠点内の複製(LRS)から、可用性ゾーンをまたぐ複製(ZRS)、別リージョンへの複製(GRS)、その両方(GZRS)まで段階があります。下にいくほど守れる障害の範囲が広がり(DC障害→ゾーン障害→リージョン災害)、その分コストも上がります。

方式コピーの範囲守れる障害
LRS単一拠点内に3コピー機器・ラック障害
ZRS複数の可用性ゾーンデータセンター障害
GRS別リージョンへ複製リージョン規模の災害
GZRSゾーン+別リージョンゾーン障害+広域災害

4.1.4データ移行ツール

  • AzCopy:コマンドラインで Blob/File を高速にコピー・同期する。
  • Azure Storage Explorer:GUI でストレージを操作する。
  • Azure File Sync:オンプレのファイルサーバーと Azure Files を同期する。
  • Azure Migrate:サーバーやデータベースなどの移行を評価・実行する統合ツール。
  • Azure Data Box物理デバイスでデータを搬送する(ネット転送が非現実的なほど大容量のとき)。

シナリオ:ログの保管設計。 直近30日のログは検索するので Hot、その後はめったに見ないので Cool→Archive に自動移動(ライフサイクル管理)してコスト削減。監査要件で災害にも備えるため冗長性は GRS(別リージョン複製)。コスト軸(層)と可用性軸(冗長性)を独立に設定します。

注意

混同に注意:
アクセス層(コスト)冗長性(可用性)は別の軸——「安くしたい→層」「壊れに備える→冗長性」。
LRS は同一拠点のみで別リージョンには複製しない(地理災害には GRS/GZRS)。
③Archive は安いが即座には読めない(リハイドレート)。

補足

Q. 仮想マシンのディスクもこの4サービス? いいえ。VM の OS/データディスクは マネージドディスク という別サービスです(内部は Blob 基盤)。Blob/File/Queue/Table は「アプリのデータ」用と覚えておきましょう。

試験ポイント

4サービス(Blob=オブジェクト/File=共有/Queue=メッセージ/Table=NoSQL)アクセス層(Hot/Cool/Cold/Archive)とコスト・取り出しの関係冗長性 LRS<ZRS<GRS<GZRS(GRS/GZRS は別リージョン複製)Data Box=物理搬送 は頻出です。

4.1.5この節のまとめ

  • ストレージアカウント=Blob/File/Queue/Table の入れ物(VMディスクはマネージドディスクで別枠)
  • アクセス層=保存コストと取り出しのトレードオフ(Hot↔Archive)
  • 冗長性=コピー数と範囲(LRS<ZRS<GRS<GZRS)。地理災害は GRS/GZRS
  • 移行:AzCopy/Storage Explorer/File Sync/Azure Migrate/Data Box(物理搬送)

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理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. ほとんどアクセスしないデータを最も安価に長期保存する Blob のアクセス層はどれですか?

Q2. データを別のリージョンにも複製して地理的な災害に備える冗長性はどれですか?

Q3. ネットワーク転送が現実的でないほど大容量のデータを移行する手段はどれですか?

Q4. 非構造化データ(画像・動画・バックアップ)の保存に最も適したサービスはどれですか?

Q5. アクセス層と冗長性の関係として正しいものはどれですか?

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