変更要約: AZ-900 第4章を新基準で拡充し、ID節にセキュリティ(ゼロトラスト/多層防御/Defender for Cloud/RBAC/外部ID)を網羅補完
4.1ストレージサービス
ストレージアカウントと4つのデータサービス(Blob・File・Queue・Table)、Blob のアクセス層(Hot/Cool/Cold/Archive)、冗長性(LRS/ZRS/GRS/GZRS)、そしてデータ移行ツールを理解します。
クラウドのデータを置く器が ストレージアカウント です。1つのストレージアカウントの中に、用途の違う4つのデータサービス(Blob・File・Queue・Table)が同居します。データの性質は、保存コストを抑える「アクセス層」と、障害に備える「冗長性」という2つの軸でチューニングします。この2軸(コスト⇔可用性)を分けて理解するのが、この節の要点です。
4.1.1ストレージアカウントとデータサービス
ストレージアカウントは、4つのデータサービスをまとめて提供します。どれを使うかは「何を保存したいか」で決まります。なお、仮想マシンの OS/データ用ディスクは マネージドディスク(Blob を基盤とする専用サービス)で提供され、これらとは別枠です。
| サービス | データの種類 | 代表的な用途 |
|---|---|---|
| Blob | 非構造化(オブジェクト) | 画像・動画・バックアップ・ログ |
| File | ファイル共有(SMB/NFS) | 複数マシンから共有マウント |
| Queue | メッセージ | コンポーネント間の非同期連携 |
| Table | NoSQL キー値 | 構造化データを安価に大量保存 |
4.1.2アクセス層(コストの軸)
Blob の アクセス層 は、「どれくらいの頻度で読むか」に合わせて保存コストを最適化する仕組みです。よく読むデータは Hot、めったに読まないデータは Cool/Cold/Archive に置きます。下の層ほど保存は安い反面、取り出しは遅く・割高になります(特に Archive は読み出しに「リハイドレート」という時間のかかる処理が必要)。
| 層 | 想定アクセス頻度 | 保存コスト | 取り出し |
|---|---|---|---|
| Hot | 高頻度 | 高い | 速い・安い |
| Cool | 低頻度(30日+) | やや安い | やや割高 |
| Cold | まれ(90日+) | 安い | 割高 |
| Archive | ほぼ読まない | 最安 | 遅い・要リハイドレート |
4.1.3冗長性(可用性の軸)
冗長性 は、データのコピーをどこにいくつ持つかで耐障害性を決めます。同一拠点内の複製(LRS)から、可用性ゾーンをまたぐ複製(ZRS)、別リージョンへの複製(GRS)、その両方(GZRS)まで段階があります。下にいくほど守れる障害の範囲が広がり(DC障害→ゾーン障害→リージョン災害)、その分コストも上がります。
| 方式 | コピーの範囲 | 守れる障害 |
|---|---|---|
| LRS | 単一拠点内に3コピー | 機器・ラック障害 |
| ZRS | 複数の可用性ゾーン | データセンター障害 |
| GRS | 別リージョンへ複製 | リージョン規模の災害 |
| GZRS | ゾーン+別リージョン | ゾーン障害+広域災害 |
4.1.4データ移行ツール
- AzCopy:コマンドラインで Blob/File を高速にコピー・同期する。
- Azure Storage Explorer:GUI でストレージを操作する。
- Azure File Sync:オンプレのファイルサーバーと Azure Files を同期する。
- Azure Migrate:サーバーやデータベースなどの移行を評価・実行する統合ツール。
- Azure Data Box:物理デバイスでデータを搬送する(ネット転送が非現実的なほど大容量のとき)。
シナリオ:ログの保管設計。 直近30日のログは検索するので Hot、その後はめったに見ないので Cool→Archive に自動移動(ライフサイクル管理)してコスト削減。監査要件で災害にも備えるため冗長性は GRS(別リージョン複製)。コスト軸(層)と可用性軸(冗長性)を独立に設定します。
混同に注意:
①アクセス層(コスト)と冗長性(可用性)は別の軸——「安くしたい→層」「壊れに備える→冗長性」。
②LRS は同一拠点のみで別リージョンには複製しない(地理災害には GRS/GZRS)。
③Archive は安いが即座には読めない(リハイドレート)。
Q. 仮想マシンのディスクもこの4サービス? いいえ。VM の OS/データディスクは マネージドディスク という別サービスです(内部は Blob 基盤)。Blob/File/Queue/Table は「アプリのデータ」用と覚えておきましょう。
4サービス(Blob=オブジェクト/File=共有/Queue=メッセージ/Table=NoSQL)、アクセス層(Hot/Cool/Cold/Archive)とコスト・取り出しの関係、冗長性 LRS<ZRS<GRS<GZRS(GRS/GZRS は別リージョン複製)、Data Box=物理搬送 は頻出です。
4.1.5この節のまとめ
- ストレージアカウント=Blob/File/Queue/Table の入れ物(VMディスクはマネージドディスクで別枠)
- アクセス層=保存コストと取り出しのトレードオフ(Hot↔Archive)
- 冗長性=コピー数と範囲(LRS<ZRS<GRS<GZRS)。地理災害は GRS/GZRS
- 移行:AzCopy/Storage Explorer/File Sync/Azure Migrate/Data Box(物理搬送)
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理解度チェック
(軽い確認用)Q1. ほとんどアクセスしないデータを最も安価に長期保存する Blob のアクセス層はどれですか?
Q2. データを別のリージョンにも複製して地理的な災害に備える冗長性はどれですか?
Q3. ネットワーク転送が現実的でないほど大容量のデータを移行する手段はどれですか?
Q4. 非構造化データ(画像・動画・バックアップ)の保存に最も適したサービスはどれですか?
Q5. アクセス層と冗長性の関係として正しいものはどれですか?

