Instiq
第3章 · Azure のコンピュート・ネットワークと AI·v2.1.0·更新 2026/6/11·読了目安 約14分

変更要約: §3.3「AI サービスと Copilot、責任あるAI」を新設(2026-01 改訂で AZ-900 に追加された AI 領域=Azure AI Foundry/OpenAI/AI services/AI Search/Content Safety・Copilot ファミリ・責任あるAI6原則)

3.2ネットワークサービス

この節の要点

仮想ネットワーク(VNet)とサブネット、VNet 同士のピアリング、オンプレミスとつなぐ VPN Gateway と ExpressRoute、そして DNS や公開/非公開エンドポイントといったネットワークの基本を理解します。

クラウド上のリソースも、互いに、そして外部やオンプレミスと安全につながる必要があります。その土台が 仮想ネットワーク(VNet)です。物理的な配線の代わりに、ソフトウェアで定義する自分専用のネットワークを Azure 内に作り、そこにリソースを配置します。この節では、ネットワークの基本部品(VNet・サブネット・ピアリング)、社内環境とつなぐ方法(VPN Gateway・ExpressRoute)、名前解決とアクセス制御(DNS・エンドポイント・NSG)を順に押さえます。

3.2.1仮想ネットワーク(VNet)とサブネット

仮想ネットワーク(VNet)は、Azure 内に作るプライベートなネットワークで、リソース同士を安全に通信させる土台です。VNet にはアドレス空間(例:10.0.0.0/16 のような IP の範囲)を割り当て、その中を サブネット(例:10.0.1.0/24)に区切って用途別(Web 層・DB 層など)に整理します。サブネットで分けると、層ごとに通信ルール(後述の NSG)を変えられ、セキュリティと見通しが良くなります。

別々の VNet をつなぎたいときは ピアリング(peering)を使います。ピアリングで接続された VNet 同士は、まるで1つのネットワークのようにプライベートに(インターネットを経由せず)相互通信できます。同一リージョン内でも、リージョンをまたいでも接続できます。

3.2.2オンプレミスとつなぐ

社内(オンプレミス)のネットワークと Azure をつなぐ主な方法は2つです。VPN Gateway はインターネット経由の暗号化トンネル(IPsec)で接続します。導入が比較的手軽で安価ですが、経路がインターネットのため遅延や帯域は一定しません。ExpressRoute は通信事業者を介した専用のプライベート接続で、インターネットを通りません。高い信頼性・一貫した低遅延・広帯域が得られ、基幹システムや大量データ転送に向きます(その分コストは高め)。

観点VPN GatewayExpressRoute
経路インターネット経由(暗号化)専用のプライベート接続
遅延・帯域変動しうる一貫・広帯域
信頼性標準高い
コスト・導入安価・手軽高め・要回線手配
向く用途小規模・補助的な接続基幹・大量データ・低遅延要件

3.2.3名前解決とアクセス制御

Azure DNS は、ドメイン名(例:example.com)を IP アドレスに変換する名前解決をホストするサービスです。アクセスの公開範囲はエンドポイントで決まります:パブリックエンドポイントはインターネットから到達可能、プライベートエンドポイント(Private Link)は VNet 内からのみ到達可能で、サービスをインターネットに晒さずに使えます。さらに NSG(ネットワークセキュリティグループ) を使うと、サブネットや NIC 単位で「どの送信元/宛先/ポートの通信を許可・拒否するか」を規則で制御できます。

仮想ネットワーク内に複数のサブネット、別の VNet とのピアリング接続、そして VPN Gateway / ExpressRoute を介したオンプレミスとの接続を表したネットワーク構成の図。
VNet・サブネット・ピアリング・オンプレ接続
コツ

オンプレ接続の使い分け:手早く安全につなぐなら VPN Gateway(インターネット経由)、より高信頼・一貫した遅延が要るなら ExpressRoute(専用線・インターネットを通らない)。両者を併用し、ExpressRoute 障害時に VPN へフェイルオーバーする構成もあります。

例

シナリオ:3層Webアプリの構成。 1つの VNet を Web 用サブネットと DB 用サブネットに分け、DB サブネットには NSG でインターネットからの直接アクセスを拒否(Web 層からのみ許可)。DB は プライベートエンドポイントで公開せず利用。社内の基幹システムとは ExpressRoute で低遅延接続。こうして層ごとに公開範囲と通信規則を分けます。

注意

混同に注意:
①VPN Gateway(インターネット経由)とExpressRoute(専用線・非インターネット)——「専用線・インターネットを通らない=ExpressRoute」。
②ピアリング(VNet 同士)とゲートウェイ(オンプレ接続)は役割が別。
③パブリックエンドポイント(公開)とプライベートエンドポイント(VNet 内のみ)。

補足

Q. NSG とファイアウォールは同じ? AZ-900 の範囲では、NSG はサブネット/NIC 単位の基本的な許可・拒否ルールと捉えれば十分です。より高度な集中型の検査・フィルタリングは Azure Firewall などが担いますが、まずは「NSG=VNet 内のトラフィック制御の基本」を押さえましょう。

試験ポイント

VNet=Azure内のプライベートネットワーク/サブネット=区切り/ピアリング=VNet同士の接続、VPN Gateway(インターネット経由)vs ExpressRoute(専用線・インターネット非経由)、パブリック/プライベートエンドポイント、NSG=許可/拒否ルール は頻出です。

3.2.4この節のまとめ

  • VNet(Azure内のプライベートNW)をサブネットで区切り、ピアリングで VNet 同士をプライベート接続
  • オンプレ接続:VPN Gateway=インターネット経由の暗号化/ExpressRoute=専用線(高信頼・低遅延)
  • Azure DNS=名前解決。パブリック/プライベートエンドポイントと NSG でアクセスと通信を制御

進捗の記録にはログインが必要です。

理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. 2つの仮想ネットワーク(VNet)を相互に接続する機能はどれですか?

Q2. インターネットを経由しない専用のプライベート接続でオンプレミスとつなぐサービスはどれですか?

Q3. VPN Gateway による接続の経路として正しいものはどれですか?

Q4. VNet を用途別(Web 層・DB 層など)に区切る単位はどれですか?

Q5. サービスをインターネットに公開せず、VNet 内からのみ到達できるようにする仕組みはどれですか?

Q6. サブネットや NIC 単位で通信を許可・拒否する規則を提供するものはどれですか?

理解度を確認第3章「Azure のコンピュート・ネットワークと AI」の問題を解く

学習の記録を残しませんか

参考書はすべて無料で読めます。無料登録すると、問題集での演習・既読と進捗の記録・間違えた問題の復習・ハイライトが使えます。