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第3章 · Azure のコンピュート・ネットワークと AI·v2.1.0·更新 2026/6/11·読了目安 約14分

変更要約: §3.3「AI サービスと Copilot、責任あるAI」を新設(2026-01 改訂で AZ-900 に追加された AI 領域=Azure AI Foundry/OpenAI/AI services/AI Search/Content Safety・Copilot ファミリ・責任あるAI6原則)

3.1コンピューティングサービス

この節の要点

アプリを動かす計算資源の選択肢——仮想マシン・コンテナ(ACI/AKS)・App Service・Functions——と、「自由度(自分で管理)」と「手軽さ(おまかせ)」のトレードオフを理解します。

アプリを動かすには「計算資源(コンピュート)」が要ります。Azure には複数の選択肢があり、選ぶ基準は前章のサービスモデルと同じ——自分でどこまで管理するか(制御)と、どれだけ任せて楽をするか(手間)のトレードオフです。仮想マシン のように OS まで自由に握れるものから、Azure Functions のようにサーバーを一切意識しない(サーバーレス)ものまで幅があり、要件に応じて使い分けます。

3.1.1仮想マシン(VM)

Azure Virtual Machines は IaaS の中核で、OS から上(ミドルウェア・アプリ・データ)を自分で管理できる最も自由度の高いコンピュートです。Windows/Linux を選び、サイズ(CPU/メモリ)を決め、必要なソフトを自由に入れられます。その代わり、OS のパッチ適用やバックアップなどの運用は自分の責任です。既存サーバーをそのまま移すリフト&シフトや、特殊なソフト構成に向きます。

3.1.1.1VM の拡張と可用性

  • 仮想マシンスケールセット(VMSS):同一構成の VM を多数まとめて管理し、負荷に応じて自動スケール(台数増減)できる。
  • 可用性セット(availability set):VM を障害ドメイン(電源/ネットワークの単位)と更新ドメイン(メンテの単位)に分散し、ハード障害や計画更新でも一斉停止を避ける(同一リージョン内)。
  • 可用性ゾーン(availability zone):VM をリージョン内の物理分離DCに分散し、データセンター単位の障害に耐える(可用性セットより広い保護)。
  • Azure Virtual Desktop(AVD):クラウド上に Windows デスクトップ/アプリを提供し、どこからでも安全に利用できる(VDI)。

紛らわしいのが VMSS(スケール)可用性セット/ゾーン(可用性) の役割分担です。VMSS は「台数を増やして負荷をさばく」ためのもの、可用性セット/ゾーンは「1つ壊れても止めない」ためのもの。守りたいのが性能(さばく力)か、可用性(止まらなさ)かで使い分けます(両立も可能)。

3.1.2コンテナ

コンテナ は、アプリと必要な依存をひとまとめにした軽量な実行単位で、VM より起動が速く可搬性に優れます。Azure では用途で2つに分かれます。Azure Container Instances(ACI) は、オーケストレーションの手間なく単発・手軽にコンテナを動かす用途。Azure Kubernetes Service(AKS) は、多数のコンテナを本番運用するためのマネージドな Kubernetes(自動配置・自己修復・スケール)。「小さく手軽なら ACI、大規模な本番運用なら AKS」が目安です。

3.1.3App Service とサーバーレス

Azure App Service は、Web アプリや API を PaaS で手早くホストするサービスです。OS やパッチをプロバイダーが管理するため、コードのデプロイに集中でき、スケールや独自ドメイン/TLS も簡単に扱えます。

Azure Functionsサーバーレス(FaaS) の代表で、HTTP 要求やキュー投入などのイベントが来たときだけ関数を実行し、実行した分だけ課金されます。待機中の費用がほぼゼロで、断続的な処理・自動化・通知に向きます。App Service が「アプリを常時ホスト」なら、Functions は「イベント時だけ動く小さな処理」と捉えると区別できます。

仮想マシン(最も制御できる)→ コンテナ(ACI/AKS)→ App Service → Functions(最も managed・サーバーレス)へと、左ほど制御が大きく右ほど手間が少ないコンピュートの選択肢を並べた図。
制御の大きさ順に並べたコンピュートの選択肢
サービスモデル管理範囲代表的な用途
Virtual MachinesIaaSOS から上すべてリフト&シフト・特殊構成
ACIコンテナ(手軽)コンテナ/アプリ単発・軽量なコンテナ実行
AKSコンテナ(オーケストレーション)コンテナ/アプリ構成大規模なコンテナ本番運用
App ServicePaaSアプリとデータWeb アプリ/API を手早く
Functionsサーバーレス/FaaSコードのみイベント駆動・自動化
補足

選び方の目安:OS まで自分で管理したい→VMコンテナを手軽に→ACI/大規模に→AKSWeb アプリを手早く→App Serviceイベントで関数だけ動かす→Functions(サーバーレス)

シナリオ:Webサービスの構成。 常時稼働の Web/API は App Service(PaaS)でホストし、負荷増には自動スケール。サムネイル生成のようなイベント時だけの重い処理は Functions(サーバーレス)に切り出す。レガシーで OS 依存の補助バッチだけ VM に残す——というように、1つのシステムでも複数のコンピュートを適材適所で組み合わせます。

注意

混同に注意:
VMSS(自動スケール=性能)可用性セット/ゾーン(冗長=可用性)——目的が別。
ACI(単発・手軽)AKS(大規模オーケストレーション)
App Service(常時ホスト)Functions(イベント時だけ)。選択肢で役割を入れ替えてくる出題に注意。

補足

Q. 可用性セットと可用性ゾーンはどう違う? 可用性セットは同一データセンター内でラック(障害/更新ドメイン)を分ける保護、可用性ゾーンはリージョン内の別々のデータセンターに分ける保護で、ゾーンの方が広い範囲の障害に耐えます。

試験ポイント

VM=IaaS・最も自由/VMSS=自動スケール群/可用性セット・ゾーン=可用性/AKS=マネージド Kubernetes/ACI=手軽なコンテナ/App Service=Web の PaaS/Functions=サーバーレス/AVD=クラウドデスクトップ の対応は頻出です。

3.1.4この節のまとめ

  • VM(最も自由・IaaS)。拡張はVMSS(自動スケール)、可用性は可用性セット/ゾーン
  • ACI(手軽なコンテナ)/AKS(マネージド Kubernetes)/App Service(Web の PaaS)
  • Functions=サーバーレス(イベント駆動・使った分だけ)。AVD=クラウドデスクトップ
  • 選択は制御⇔手間の軸。1システムでも複数を適材適所で組み合わせる

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理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. イベントに応じてコードを実行し、サーバー管理が不要な「サーバーレス」のサービスはどれですか?

Q2. マネージドな Kubernetes(コンテナオーケストレーション)を提供するサービスはどれですか?

Q3. OS まで含めて最も自由に制御できるコンピュートはどれですか?

Q4. 同一構成の VM を多数まとめ、負荷に応じて台数を自動増減させる機能はどれですか?

Q5. 小規模・単発でコンテナを手軽に実行したい場合に適したサービスはどれですか?

Q6. クラウド上に Windows デスクトップを提供し、どこからでも利用できるようにするサービスはどれですか?

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