変更要約: §3.3「AI サービスと Copilot、責任あるAI」を新設(2026-01 改訂で AZ-900 に追加された AI 領域=Azure AI Foundry/OpenAI/AI services/AI Search/Content Safety・Copilot ファミリ・責任あるAI6原則)
3.1コンピューティングサービス
アプリを動かす計算資源の選択肢——仮想マシン・コンテナ(ACI/AKS)・App Service・Functions——と、「自由度(自分で管理)」と「手軽さ(おまかせ)」のトレードオフを理解します。
アプリを動かすには「計算資源(コンピュート)」が要ります。Azure には複数の選択肢があり、選ぶ基準は前章のサービスモデルと同じ——自分でどこまで管理するか(制御)と、どれだけ任せて楽をするか(手間)のトレードオフです。仮想マシン のように OS まで自由に握れるものから、Azure Functions のようにサーバーを一切意識しない(サーバーレス)ものまで幅があり、要件に応じて使い分けます。
3.1.1仮想マシン(VM)
Azure Virtual Machines は IaaS の中核で、OS から上(ミドルウェア・アプリ・データ)を自分で管理できる最も自由度の高いコンピュートです。Windows/Linux を選び、サイズ(CPU/メモリ)を決め、必要なソフトを自由に入れられます。その代わり、OS のパッチ適用やバックアップなどの運用は自分の責任です。既存サーバーをそのまま移すリフト&シフトや、特殊なソフト構成に向きます。
3.1.1.1VM の拡張と可用性
- 仮想マシンスケールセット(VMSS):同一構成の VM を多数まとめて管理し、負荷に応じて自動スケール(台数増減)できる。
- 可用性セット(availability set):VM を障害ドメイン(電源/ネットワークの単位)と更新ドメイン(メンテの単位)に分散し、ハード障害や計画更新でも一斉停止を避ける(同一リージョン内)。
- 可用性ゾーン(availability zone):VM をリージョン内の物理分離DCに分散し、データセンター単位の障害に耐える(可用性セットより広い保護)。
- Azure Virtual Desktop(AVD):クラウド上に Windows デスクトップ/アプリを提供し、どこからでも安全に利用できる(VDI)。
紛らわしいのが VMSS(スケール) と 可用性セット/ゾーン(可用性) の役割分担です。VMSS は「台数を増やして負荷をさばく」ためのもの、可用性セット/ゾーンは「1つ壊れても止めない」ためのもの。守りたいのが性能(さばく力)か、可用性(止まらなさ)かで使い分けます(両立も可能)。
3.1.2コンテナ
コンテナ は、アプリと必要な依存をひとまとめにした軽量な実行単位で、VM より起動が速く可搬性に優れます。Azure では用途で2つに分かれます。Azure Container Instances(ACI) は、オーケストレーションの手間なく単発・手軽にコンテナを動かす用途。Azure Kubernetes Service(AKS) は、多数のコンテナを本番運用するためのマネージドな Kubernetes(自動配置・自己修復・スケール)。「小さく手軽なら ACI、大規模な本番運用なら AKS」が目安です。
3.1.3App Service とサーバーレス
Azure App Service は、Web アプリや API を PaaS で手早くホストするサービスです。OS やパッチをプロバイダーが管理するため、コードのデプロイに集中でき、スケールや独自ドメイン/TLS も簡単に扱えます。
Azure Functions は サーバーレス(FaaS) の代表で、HTTP 要求やキュー投入などのイベントが来たときだけ関数を実行し、実行した分だけ課金されます。待機中の費用がほぼゼロで、断続的な処理・自動化・通知に向きます。App Service が「アプリを常時ホスト」なら、Functions は「イベント時だけ動く小さな処理」と捉えると区別できます。
| サービス | モデル | 管理範囲 | 代表的な用途 |
|---|---|---|---|
| Virtual Machines | IaaS | OS から上すべて | リフト&シフト・特殊構成 |
| ACI | コンテナ(手軽) | コンテナ/アプリ | 単発・軽量なコンテナ実行 |
| AKS | コンテナ(オーケストレーション) | コンテナ/アプリ構成 | 大規模なコンテナ本番運用 |
| App Service | PaaS | アプリとデータ | Web アプリ/API を手早く |
| Functions | サーバーレス/FaaS | コードのみ | イベント駆動・自動化 |
選び方の目安:OS まで自分で管理したい→VM、コンテナを手軽に→ACI/大規模に→AKS、Web アプリを手早く→App Service、イベントで関数だけ動かす→Functions(サーバーレス)。
シナリオ:Webサービスの構成。 常時稼働の Web/API は App Service(PaaS)でホストし、負荷増には自動スケール。サムネイル生成のようなイベント時だけの重い処理は Functions(サーバーレス)に切り出す。レガシーで OS 依存の補助バッチだけ VM に残す——というように、1つのシステムでも複数のコンピュートを適材適所で組み合わせます。
混同に注意:
①VMSS(自動スケール=性能)と可用性セット/ゾーン(冗長=可用性)——目的が別。
②ACI(単発・手軽)とAKS(大規模オーケストレーション)。
③App Service(常時ホスト)とFunctions(イベント時だけ)。選択肢で役割を入れ替えてくる出題に注意。
Q. 可用性セットと可用性ゾーンはどう違う? 可用性セットは同一データセンター内でラック(障害/更新ドメイン)を分ける保護、可用性ゾーンはリージョン内の別々のデータセンターに分ける保護で、ゾーンの方が広い範囲の障害に耐えます。
VM=IaaS・最も自由/VMSS=自動スケール群/可用性セット・ゾーン=可用性/AKS=マネージド Kubernetes/ACI=手軽なコンテナ/App Service=Web の PaaS/Functions=サーバーレス/AVD=クラウドデスクトップ の対応は頻出です。
3.1.4この節のまとめ
- VM(最も自由・IaaS)。拡張はVMSS(自動スケール)、可用性は可用性セット/ゾーン
- ACI(手軽なコンテナ)/AKS(マネージド Kubernetes)/App Service(Web の PaaS)
- Functions=サーバーレス(イベント駆動・使った分だけ)。AVD=クラウドデスクトップ
- 選択は制御⇔手間の軸。1システムでも複数を適材適所で組み合わせる
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理解度チェック
(軽い確認用)Q1. イベントに応じてコードを実行し、サーバー管理が不要な「サーバーレス」のサービスはどれですか?
Q2. マネージドな Kubernetes(コンテナオーケストレーション)を提供するサービスはどれですか?
Q3. OS まで含めて最も自由に制御できるコンピュートはどれですか?
Q4. 同一構成の VM を多数まとめ、負荷に応じて台数を自動増減させる機能はどれですか?
Q5. 小規模・単発でコンテナを手軽に実行したい場合に適したサービスはどれですか?
Q6. クラウド上に Windows デスクトップを提供し、どこからでも利用できるようにするサービスはどれですか?

