Instiq
第3章 · 事業継続の設計·v2.0.0·更新 2026/6/3·読了目安 約10分

変更要約: AZ-305 第3章を深掘り(比較表・シナリオ・FAQ・ひっかけ・深掘り段落を各節に追加、図を日本語版に対応)

3.2高可用性の設計

この節の要点

可用性の設計——可用性ゾーン可用性セット負荷分散ゾーン冗長サービスSLA——を理解します。単一障害点をなくし、required な可用性を満たします。

高可用性は冗長化で実現します。可用性ゾーンに分散し、負荷分散とゾーン冗長サービスで単一障害点をなくします。

3.2.1高可用性の手段

Azure の高可用性設計を示した図。リージョン内の複数の可用性ゾーン(物理的に分離したデータセンター群)に VM やサービスを分散して**ゾーン障害**に耐え、単一ゾーン内では可用性セット(障害ドメイン/更新ドメイン)でラック/メンテ障害に備え、トラフィックは負荷分散(Load Balancer=L4/Application Gateway=L7/Front Door/Traffic Manager=グローバル)で分配、SQL/Storage 等はゾーン冗長構成にし、各サービスの SLA を満たす設計を示した図。
高可用性の設計
  • 可用性ゾーン:リージョン内の物理的に分離した DC に分散し、ゾーン障害に耐える。
  • 可用性セット:単一ゾーン内で障害ドメイン/更新ドメインに分散(ラック/メンテ障害対策)。
  • 負荷分散Load Balancer(L4)/Application Gateway(L7)/Front Door・Traffic Manager(グローバル)
  • ゾーン冗長サービス/SLA:マネージドサービスをゾーン冗長にし、SLA 要件を満たす。
試験ポイント

「ゾーン障害に耐える=可用性ゾーン」「単一ゾーン内のラック/メンテ対策=可用性セット」「L4=Load Balancer、L7=Application Gateway、グローバル=Front Door/Traffic Manager」 は AZ-305 で頻出です。複数 VM を可用性ゾーン or セットに入れないと単一 VM の SLA しか得られません。

補足

Application Gateway は L7(WAF 統合可)、Front Door はグローバルな L7+CDN/WAF、Traffic Manager は DNS ベースのグローバルルーティングです。

AZ-305 の可用性設計は「目標 SLA を、どの冗長化と負荷分散で満たすか」を問います。可用性ゾーンはリージョン内の物理的に独立した DC 群(電源/冷却/ネットワークが分離)で、VM やゾーン冗長サービスを複数ゾーンに分散するとゾーン(DC)障害に耐えます。可用性セットは単一データセンター内で 障害ドメイン(FD=電源/ラック単位)更新ドメイン(UD=メンテナンスの順次適用単位)に分散し、ラック障害や計画メンテに備えます——両者は守る障害ドメインが異なり、ゾーン障害には可用性セットでは不十分です。負荷分散は OSI 層と範囲で選び、Load Balancer(L4・リージョン内 TCP/UDP)Application Gateway(L7・パスベース/WAF/SSL オフロード)Front Door(グローバル L7+CDN+WAF+即時フェイルオーバー)Traffic Manager(DNS ベースのグローバルルーティング・優先度/重み/地理/パフォーマンス)を組み合わせます。SLA は冗長化して初めて高い値が得られ(単一 VM は限定的、ゾーン分散や複数インスタンスで向上)、各サービスのゾーン冗長オプション(ゾーン冗長な Application Gateway v2、VMSS のゾーン分散、ゾーン冗長 SQL など)を選びます。設計の要は、守るべき障害ドメイン(ノード/ラック/ゾーン/リージョン)を明確にし、それに対応する冗長化と適切な層の負荷分散を組むことです。

負荷分散層/範囲用途
Load BalancerL4・リージョン内TCP/UDP の分散
Application GatewayL7・リージョン内パスベース/WAF/SSL オフロード
Front DoorL7・グローバルCDN/WAF+即時フェイルオーバー
Traffic ManagerDNS・グローバル優先度/重み/地理/性能ルーティング
補足

シナリオ:1 つの DC(ゾーン)が落ちても継続稼働する Web アプリにしたい。HTTP のパスベースルーティングと WAF も要る。→ VM/VMSS を複数の可用性ゾーンに分散してゾーン障害に耐え、前段にゾーン冗長な Application Gateway v2(WAF 有効)を置いて L7 ルーティング。複数リージョンへ広げるなら Front Door(グローバル L7+即時フェイルオーバー)を最前段に加えます。

補足

FAQ:可用性ゾーンと可用性セットはどちらを選ぶ? ゾーン(DC 全体)の障害に耐えたいなら可用性ゾーン(複数ゾーンに分散)。サービスがゾーンをサポートするなら基本はこちら。単一データセンター内でのラック障害や計画メンテに備える従来型が可用性セットです。より高い SLA とゾーン障害耐性が要るなら可用性ゾーンを選びます。

注意

ひっかけ:「ゾーン障害に耐える」要件を可用性セットだけで満たそうとするのは誤り。可用性セットは単一 DC 内の障害/更新ドメイン分散であり、ゾーン(DC 全体)障害には可用性ゾーンが必要です。また単一 VM のままでは高 SLA は得られない(複数インスタンスをゾーン/セットに配置して初めて向上する)点も頻出です。

3.2.2この節のまとめ

  • 冗長化=可用性ゾーン(ゾーン障害)/可用性セット(ラック)
  • 分散=LB(L4)/App Gateway(L7)/Front Door・Traffic Manager(global)

進捗の記録にはログインが必要です。

理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. 1 つのデータセンター(ゾーン)が落ちてもサービスを継続したい。VM をどう配置しますか?

Q2. L7(HTTP/HTTPS)でパスベースルーティングや WAF を使いながら負荷分散したい。何を使いますか?

Q3. 複数リージョンのエンドポイントに対し、グローバルに最適なルーティングと高速配信をしたい。何を使いますか?

理解度を確認第3章「事業継続の設計」の問題を解く