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第1章 · ID・ガバナンス・監視の設計·v2.0.0·更新 2026/6/3·読了目安 約11分

変更要約: AZ-305 第1章を深掘り(比較表・シナリオ・FAQ・ひっかけ・深掘り段落を各節に追加、図を日本語版に対応)

1.1ID とアクセスの設計

この節の要点

Azure の認証・認可の設計——Microsoft Entra IDRBAC条件付きアクセスマネージド IDPIMB2B/B2C——を理解します。最小権限で安全な ID 基盤を設計します。

アーキテクチャの土台は ID です。Microsoft Entra ID を中心に、誰が何にアクセスできるかを最小権限で設計します。

1.1.1ID とアクセスの構成要素

Azure の ID 設計を示した図。Microsoft Entra ID をディレクトリの中心に、RBAC(ロールベースのアクセス制御で最小権限を付与)、条件付きアクセス(場所/デバイス/リスクに応じて MFA を要求するなどのポリシー)、マネージド ID(アプリやサービスが資格情報なしで他リソースへアクセス)、PIM(特権ロールをジャストインタイムで昇格・承認/期限付き)、B2B/B2C(外部ユーザーや顧客の ID 連携)を配置した図。
ID とアクセスの設計
  • Microsoft Entra ID:クラウドのディレクトリ/ID プロバイダー。SSO とアプリ統合の中心。
  • RBAC:ロールで最小権限を付与(スコープ: 管理グループ/サブスクリプション/RG/リソース)。
  • 条件付きアクセス:場所/デバイス/リスクに応じ MFA 要求などのポリシーを適用。
  • マネージド ID:アプリが資格情報なしで Azure リソースへアクセス。PIM は特権のジャストインタイム昇格
試験ポイント

「最小権限のロール付与=RBAC」「条件に応じた MFA など=条件付きアクセス」「資格情報なしのサービス間アクセス=マネージド ID」「特権の期限付き昇格=PIM」「外部ユーザー=B2B、顧客向け=B2C」 は AZ-305 で頻出です。サービスからのアクセスは可能な限りマネージド ID を使います。

補足

マネージド ID には「システム割り当て」(リソースと同じライフサイクル)と「ユーザー割り当て」(複数リソースで共有)があります。

AZ-305 は「要件から適切な ID ソリューションを設計する」力を問います。Microsoft Entra ID はクラウドのディレクトリで、オンプレ AD とは Entra Connect(同期)や フェデレーションで接続し、ハイブリッド ID を実現します。RBAC は管理グループ→サブスクリプション→RG→リソースのスコープに継承でロールを割り当て、職務分離には組み込みロール(Owner/Contributor/Reader や各サービス固有ロール)やカスタムロールを使います。条件付きアクセスはサインインのシグナル(ユーザー/場所/デバイスの準拠状態/サインインリスク)を評価し、MFA 要求・ブロック・準拠デバイス必須などの制御をポリシーとして適用します(リスクベースは Entra ID Protection と連携)。サービス間認証はマネージド IDが原則で、システム割り当て(リソース 1:1・自動削除)とユーザー割り当て(複数リソースで共有・独立ライフサイクル)を要件で使い分けます。特権は PIMジャストインタイム昇格(承認・期限・アクティブ化時 MFA・アクセスレビュー)にし、常時付与を避けます。外部 ID は、取引先の既存 ID を招く B2B(External ID)、消費者向けにカスタマイズ可能な B2C を用途で選びます。設計では「人もサービスも最小権限」「資格情報を持たない」「特権は期限付き」を徹底します。

要件設計の選択要点
サービスが他リソースへ安全アクセスマネージド ID資格情報なし・System/User 割り当て
条件に応じた認証強化条件付きアクセス場所/デバイス/リスクで MFA・ブロック
特権の最小化PIMJIT 昇格・承認・期限・レビュー
外部ユーザー/顧客の IDB2B / B2CB2B=取引先招待・B2C=消費者向け
補足

シナリオ:App Service 上のアプリが Key Vault のシークレットと Storage のデータへアクセスする。コードに資格情報を一切持たせたくない。→ App Service にシステム割り当てマネージド IDを有効化し、Key Vault と Storage 側でそのマネージド ID に RBAC(最小権限ロール)を付与。アプリは資格情報なしでトークンを取得してアクセスします。管理者の特権作業は PIM で必要時のみ昇格させます。

補足

FAQ:システム割り当てとユーザー割り当てのマネージド ID、どちらを設計する? リソースと 1 対 1 で済み、リソース削除時に ID も消えてよいならシステム割り当て(管理が単純)。複数のリソースで同じ ID を共有したい、または ID をリソースより長く保持したいならユーザー割り当て(独立したライフサイクル)を選びます。

注意

ひっかけ:サービス間アクセスに「アプリ登録+クライアントシークレット」を設計するのは、マネージド ID が使える場面では不適切です(シークレットの管理・ローテーション負担と漏洩リスク)。Azure リソース上で動くワークロードはマネージド IDが第一選択。条件付きアクセスは「認可(RBAC)」ではなく「認証時の条件制御」である点も混同しないこと。

1.1.2この節のまとめ

  • ID=Entra ID+RBAC(最小権限)+条件付きアクセス
  • サービス認可=マネージド ID/特権=PIM

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理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. アプリが Key Vault や Storage へ、資格情報をコードに持たずに安全にアクセスできるようにしたい。何を使いますか?

Q2. 特定の場所やリスクの高いサインインに対してのみ MFA を要求したい。何を設計しますか?

Q3. 管理者の特権ロールを常時付与せず、必要時のみ承認・期限付きで昇格させたい。何を使いますか?

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