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第3章 · 高可用性と災害復旧(HADR)·v1.0.0·更新 2026/6/29·読了目安 約15分

変更要約: AZ-120 第3章を新規作成(ドメイン3: 高可用性(SLA・可用性セット vs 可用性ゾーン・Azure Load Balancer・HANA/SCS クラスタリング・Pacemaker と STONITH・Azure フェンスエージェント vs SBD・HANA System Replication・再起動構成)、災害復旧(Azure Site Recovery・リージョン DR・DR ネットワーク・RPO/RTO バックアップ戦略・Azure Backup/Recovery Services vault・HANA スナップショット/DB 整合バックアップ・DR テスト))。

3.1高可用性(HA)

この節の要点

SLA 考慮、可用性セット vs 可用性ゾーン、ロードバランシング、HANA/SAP Central Services のクラスタリング、Pacemaker と STONITH(Azure フェンスエージェント / SBD)を理解します。

SAP は 単一障害点(SPOF) を排除して高い SLA を達成する設計が要求されます。冗長配置とクラスタリングが柱です。

3.1.1冗長配置とロードバランシング

冗長配置は 2 つ=可用性セット(availability set) は同一データセンター内で障害ドメイン/更新ドメインを分けて配置(より高い VM SLA・遅延は小)、可用性ゾーン(availability zone) はリージョン内の物理的に分離したゾーンに分散(データセンター障害に耐える・最高 SLA だがゾーン間遅延が増えうる)。HA 構成では Azure Load Balancer(内部)で冗長なアプリ/SCS/DB へトラフィックを振り分けます。「ゾーン障害に耐える」=可用性ゾーン、「同一 DC 内で簡易に冗長化・低遅延」=可用性セットが定石です。

3.1.2クラスタリングと STONITH

SAP の HANASAP Central Services(SCS/ASCS) は SPOF なので クラスタリング(Linux は Pacemaker、Windows/SQL は WSFC)で冗長化します。クラスタは フェンシング(STONITH) で「応答しないノードを確実に停止」してスプリットブレインを防ぎます。Azure では STONITH を Azure フェンスエージェント(Azure API でノードを停止・共有ディスク不要)か STONITH Block Device(SBD)(共有ブロックデバイス/iSCSI ベース)で実装します。HANA はストレージ/DB レベルのレプリケーション(HANA System Replication)でデータを冗長化し、フェイルオーバー時に SAP システム/インスタンス/HANA DB を再起動構成します。

試験ポイント

決め手:「データセンター障害に耐える・最高 SLA」=可用性ゾーン。「同一 DC 内の障害/更新ドメイン分離・低遅延」=可用性セット。「HANA/SCS の SPOF を冗長化」=クラスタリング(Linux=Pacemaker)。「応答なしノードを確実停止・スプリットブレイン防止」=STONITH(Azure フェンスエージェント or SBD)。

注意

混同に注意:
①可用性セット(同一 DC)と可用性ゾーン(分離ゾーン)を取り違えない=DC 障害耐性が違う。
②STONITH は必須でフェンシングなしのクラスタはスプリットブレインの危険。
③Azure フェンスエージェント(API・共有ディスク不要)と SBD(共有ブロックデバイス)は別実装。
④ロードバランサーは分散であってフェイルオーバー判定/フェンシングはしない。

可用性ゾーンで DC 障害に耐え(可用性セットは同一 DC 内の障害/更新ドメイン)、内部 Azure Load Balancer でクラスタの仮想 IP を支え、Linux は Pacemaker でクラスタリング、STONITH(Azure フェンスエージェント/SBD)でスプリットブレインを防ぎ、HANA は HANA System Replication、SCS はクラスタリングで HA 化する図。
ゾーンとクラスタで守る

3.1.3この節のまとめ

  • 冗長配置=可用性セット(同一 DC・低遅延) / 可用性ゾーン(DC 障害耐性・最高 SLA)
  • HANA/SCS は Pacemaker クラスタ+STONITH(Azure フェンスエージェント or SBD)で冗長化
  • Azure Load Balancer で冗長ノードへ振り分け、HANA はレプリケーションでデータ冗長化

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理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. SAP のアプリ層を、リージョン内のデータセンター障害にも耐えられるよう冗長配置したい。最適なのはどれですか?

Q2. Linux 上の SAP HANA と SCS の単一障害点を冗長化したい。最適なのはどれですか?

Q3. Pacemaker クラスタで、応答しないノードを確実に停止してスプリットブレインを防ぎたい。最適なのはどれですか?

Q4. 共有ディスクを使わず、Azure API でクラスタノードを停止するフェンシングを使いたい。最適なのはどれですか?

Q5. 可用性セットと可用性ゾーンの違いとして正しいのはどれですか?

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