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第5章 · ネットワークの管理と運用·v2.1.0·更新 2026/6/14·読了目安 約11分

変更要約: in-scope サービス網羅: 運用/通知/ガバナンス(EventBridge/SNS/SQS/Health Dashboard/Trusted Advisor/Well-Architected/Management Console/Control Tower)を追加

5.3接続のトラブルシューティングと最適化

この節の要点

切り分けて直す——ルートテーブルセキュリティグループ(ステートフル)NACL(ステートレス)MTU/ジャンボフレーム非対称ルーティング——を理解します。体系的に原因を特定します。

「つながらない」ときは体系的に切り分けます。ルート → セキュリティグループ → NACL の順に確認し、フローログの REJECT で裏取りします。

5.3.1切り分けの順序

接続のトラブルシューティングを示した図。「A が B に到達できない」とき、ルートテーブル(宛先へのルートがあるか)・セキュリティグループ(ステートフル:当該ポートのインバウンド許可があるか)・NACL(ステートレス:双方向で許可されているか)・フローログ(REJECT がどこでブロックされているか示す)の順で確認し、Reachability Analyzer が正確にブロック箇所を特定することを示した図。
接続のトラブルシューティング
  • ルートテーブル:宛先へのルートが存在するか(IGW/NAT/TGW/ピアリング/エンドポイント)。
  • セキュリティグループステートフル。インバウンドで許可すれば戻り通信は自動許可
  • NACLステートレスインバウンドとアウトバウンドの両方を明示的に許可する必要がある。
  • MTU/非対称ルーティング:大きなパケットはジャンボフレーム/MTU に注意、行きと戻りで経路が異なると遮断されることがある。
試験ポイント

「SG はステートフル(戻りは自動許可)」「NACL はステートレス(双方向で許可・エフェメラルポート注意)」「まずルート→SG→NACL の順で切り分け」「正確な遮断箇所=Reachability Analyzer」 は ANS-C01 で頻出です。NACL でエフェメラルポートの戻りを塞いでいる、が定番の原因です。

補足

ジャンボフレーム(MTU 9001)は VPC 内では使えますが、インターネットゲートウェイや一部の接続を越えると 1500 に制限されることがあります。経路全体で MTU を揃えます。

ANS-C01 の運用問題は MTU・非対称ルーティング・ハイブリッド固有の落とし穴を深く問います。MTU の境界を覚えます——VPC 内は最大 9001、インターネットゲートウェイ経由や VPC ピアリングは 1500、Transit Gateway は 8500、Site-to-Site VPN は最大 1500(IPsec オーバーヘッドで実効はさらに小さい)。経路上で小さい MTU を越えるとき、DF(Don’t Fragment)ビットが立っていると ICMP「Fragmentation Needed(Type 3 Code 4)」でパケットサイズ調整(パス MTU 探索)が行われますが、この ICMP を SG/NACL でブロックすると接続は確立するのに大きな転送だけ固まる典型障害になります。非対称ルーティングは、行きと戻りで別経路(例:行きは TGW、戻りは別の VPN)を通ると、ステートフルなファイアウォールや NAT が戻りパケットを「セッション不明」として落とすため発生します。インスペクション構成では行き戻りを同じアプライアンスに固定(アプライアンスモード)して対処します。Transit Gateway のアプライアンスモードを有効にすると、TGW が同一フローを同じ AZ のインスペクションエンドポイントに固定し、非対称を防ぎます。ハイブリッドでは、オンプレと VPC で DNS の双方向解決(Route 53 Resolver のインバウンド/アウトバウンドエンドポイント)が未設定だと名前解決だけ失敗する、重複 CIDR で TGW のルートが衝突する、といった切り分けも問われます。

経路最大 MTU注意
VPC 内9001(ジャンボ)同一 VPC・対応インスタンス
IGW / VPC ピアリング1500ジャンボは越えられない
Transit Gateway8500VPN アタッチメントは 1500
Site-to-Site VPN1500(実効は小さい)IPsec オーバーヘッド
補足

シナリオ:オンプレ↔VPC の VPN で、SSH の小さなやり取りは通るのに大きなファイル転送やレスポンスだけが途中で固まる。→ パス MTU 探索に使う ICMP「Fragmentation Needed」が SG/NACL でブロックされている典型。該当 ICMP(Type 3 Code 4)を許可するか、TCP MSS クランプで実効セグメントサイズを下げる。経路の最小 MTU(VPN は 1500 未満)に合わせる。

補足

FAQ:Q. インスペクション VPC で戻りパケットが落ちる? A. 非対称ルーティングが原因。Transit Gateway のアプライアンスモードを有効にし、同一フローを同じ AZ のアプライアンスに固定する。Q. ping は通るのに TCP が確立しない? A. SG はステートフルでも NACL のエフェメラルポート(戻り)が塞がっている、MTU/MSS、または非対称を疑う。

注意

ひっかけ:「ping(ICMP)が通れば TCP も通るはず」は誤り。ICMP と TCP は別プロトコルで、SG/NACL の許可も MTU の影響も別。逆に「ICMP を全部塞いでも問題ない」も誤りで、パス MTU 探索に必要な ICMP を塞ぐと大きな転送が固まる。必要な ICMP は通す。

5.3.2運用・通知・ガバナンスの in-scope サービス

ネットワークの運用では、イベント連携・通知・統制のサービスも問われます。構成変更や障害イベントを起点に自動対応するなら Amazon EventBridge がイベントをルールでフィルタしてターゲット(Lambda/SNS 等)へ配送し、スケジュール起動もできます。一斉通知(ファンアウト)は Amazon SNS(メール/SMS/HTTP へ pub/sub)、コンポーネント間の疎結合・バッファリングは Amazon SQS のキューで、両者の役割(通知 vs キュー)を区別します。 運用情報では、AWS 側の障害・メンテナンスが自分のリソースに与える影響を AWS Health Dashboard がパーソナライズ通知し、構成のベストプラクティス点検は AWS Trusted Advisor(自動の個別チェック)、6 つの柱での体系レビューは AWS Well-Architected Tool で行います。日常操作の GUI は AWS マネジメントコンソール、マルチアカウントのランディングゾーン自動構築とガードレール統制は AWS Control Tower が担います。

5.3.3この節のまとめ

  • 切り分け=ルート→SG(ステートフル)→NACL(ステートレス)
  • 裏取り=フローログの REJECT/Reachability Analyzer
  • 連携=EventBridge、通知=SNS、キュー=SQS、統制=Control Tower/Trusted Advisor/Well-Architected

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理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. セキュリティグループでインバウンドを許可したのに通信できない、と思ったら NACL が原因でした。NACL の特徴として正しいのは?

Q2. プライベートサブネットのインスタンスが外部に出られない。最初に確認すべきものはどれですか?

Q3. セキュリティグループがステートフルであることの意味として正しいのはどれですか?

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