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第6章 · システム運用とファシリティ·v1.0.0·更新 2026/7/11·読了目安 約15分

変更要約: 初版

6.3ファシリティマネジメント

この節の要点

瞬断を埋め自家発電へ橋渡しするUPS(無停電電源装置)自家発電、機器の冷却を担う空調と電力を配る分電、地震から機器を守る耐震/免震、不正入室を防ぐ入退室管理、そして施設全体の可用性水準を段階で示すデータセンタTierを学びます。可用性目標とコストのトレードオフで冗長度を選ぶのが要点です。

どれほど冗長化したシステムでも、電源が落ち・空調が止まり・地震で機器が倒れれば止まります。ファシリティ(施設設備)はサービス可用性の物理的な土台であり、サービスマネージャには、事業影響度が示す可用性目標に対し、電源・空調・耐震・入退室といった設備の冗長度を、コストとのトレードオフで過不足なく選ぶ判断が求められます。すべてを最高水準にすれば安全ですが費用は跳ね上がる——目標に見合う水準を選ぶのが実務です。

6.3.1電源:UPS・自家発電・分電

  • UPS(無停電電源装置)=停電や瞬時電圧低下の瞬間に内蔵バッテリから途切れなく給電し、機器を停止させない装置。ただしバッテリ駆動時間は数分〜十数分と短く、長時間の停電をUPS単体では賄えない。UPSの役割は「停電の瞬断を埋め、後続の自家発電が立ち上がるまで、または安全にシャットダウンするまでの橋渡し」にある。
  • 自家発電(自家発電機)=燃料(軽油等)で発電し、長時間の停電時にUPSから引き継いで施設に給電し続ける設備。起動に十数秒〜数十秒かかるため、その間の瞬断はUPSが埋める。UPSと自家発電は役割分担(瞬断はUPS・長時間は自家発電)で組み合わせるのが定石で、どちらか一方では停電対策として不十分。燃料備蓄量が連続運転可能時間を決める。
  • 分電(分電盤・電源系統)=受電した電力をラック・機器へ分配する仕組み。電源系統を二重化(A系/B系)し別経路で各機器に給電すれば、片方の系統やブレーカの障害でも稼働を維持できる。電源が単一系統だと、分電盤やブレーカが単一障害点になり、いくらサーバを冗長化しても共倒れになる。

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