第5章 · セキュリティ実装技術·v1.0.0·更新 2026/7/9·読了目安 約17分
変更要約: 初版
5.4セキュアOS・DB・アプリケーションセキュリティ
この節の要点
OSレベルの強制アクセス制御(MAC)・RBAC・最小特権・トラステッドOS、DB暗号化とDBアクセス制御、開発上流から作り込むセキュリティバイデザイン/プライバシーバイデザイン/脅威モデリング、セキュアプログラミング、脆弱性を検出するSAST/DAST/IAST/SCA、Webの分離原則Same Origin Policy/CORS、パスワード保護のソルト/ストレッチング、そしてバッファオーバーフロー/XSS/SQLインジェクション対策を、脆弱性を作り込まない・検出する実装技術の選定という観点で学びます。
アプリケーションセキュリティの担当者・設計者にとって、「脆弱性を作り込まないこと」と「作り込んでしまった脆弱性を検出すること」は車の両輪です。開発ライフサイクルのどの段階で、どの技術・検査手法を適用すべきかを判断できることが、この節の核心です。OSレベルのアクセス制御からDB・アプリケーション層の実装対策・検査手法まで、防御層ごとに何が守れて何が守れないかを整理します。
5.4.1セキュアOS(MAC・RBAC・最小特権)
- 強制アクセス制御(MAC:Mandatory Access Control)=ファイルやプロセスに付与されたセキュリティラベル(機密レベル等)に基づき、管理者があらかじめ定めたポリシーに従って一律にアクセスを制御する方式。ファイル所有者が自分の判断でアクセス権を変更できない点が、任意アクセス制御(DAC:所有者が裁量でアクセス権を設定できる方式)との決定的な違い。トラステッドOSの中核機能で、マルウェアや不正操作でも所有者権限だけではポリシーを覆せない。
- RBAC(Role-Based Access Control)=利用者個人にではなく役割(ロール)に権限を割り当て、利用者をロールに所属させることでアクセス権を管理する方式。異動や退職時にロールの付け替えだけで済み、個々人へ権限を都度設定するより運用の一貫性と監査のしやすさが高まる。
- 最小特権の原則=利用者・プロセスに業務上必要な最小限の権限のみを付与する設計原則。攻撃者がアカウントやプロセスを乗っ取っても、被害範囲をその権限内に限定できる。トラステッドOS=MAC等のセキュリティ機能をOS自体に組み込み、独立した第三者機関による評価・認証(コモンクライテリア等)を経たOS。

