Instiq
第1章 · 組織の複雑さに対応する設計·v2.1.0·更新 2026/7/16·読了目安 約11分

変更要約: 軸B網羅: ガバナンス/セキュリティ/EUC 関連サービスのカタログ節(s4)を追加

1.3マルチアカウント・ハイブリッドネットワーク

この節の要点

大規模ネットワーク接続——Transit GatewayVPC ピアリングPrivateLinkDirect ConnectSite-to-Site VPNRoute 53 Resolver——を理解します。多数の VPC とオンプレミスを効率よく相互接続します。

VPC が増えるとピアリングのフルメッシュは破綻します。Transit Gateway をハブにして多数の VPC とオンプレミスをスター型に接続します。

1.3.1接続方式の選択

中央に Transit Gateway(ハブ)を置き、複数の VPC(VPC A・VPC B・VPC C)がスター型に接続され、オンプレミスのデータセンターが Direct Connect(専用線・低遅延/高帯域)と Site-to-Site VPN(インターネット経由の暗号化・バックアップ経路)の両方で Transit Gateway に接続される構成を示し、別途 2 つの VPC を1対1でつなぐ VPC ピアリング、サービスをプライベートに公開する PrivateLink(インターフェイスエンドポイント)を添えた図。
マルチアカウント・ハイブリッド接続
  • Transit Gateway:多数の VPC とオンプレミスをハブ&スポークで接続。ピアリングのフルメッシュを解消する。
  • VPC ピアリング:2 つの VPC を1 対 1で接続(推移的ルーティング不可)。少数なら簡潔。
  • PrivateLink:サービスをプライベート IP(インターフェイスエンドポイント)で公開し、VPC をまたいで安全に利用させる。
  • Direct Connect / VPN:オンプレ接続。Direct Connect=専用線(低遅延/安定)Site-to-Site VPN=暗号化(短期/バックアップ)。両者の併用が定石。
試験ポイント

「多数 VPC/オンプレのハブ接続=Transit Gateway」「2 VPC を 1 対 1=ピアリング(推移不可)」「サービスをプライベート公開=PrivateLink」「専用線=Direct Connect、暗号化/バックアップ=VPN」 は SAP-C02 で頻出です。Direct Connect 障害時のバックアップに Site-to-Site VPN を併用する設計が定番です。

注意

VPC ピアリングは推移的ルーティングをサポートしません(A-B、B-C があっても A-C は通れません)。多数 VPC の相互接続では Transit Gateway を使います。

接続は規模と要件で選びます。少数の 1:1 は VPC ピアリング(非推移・低コスト・同一/異リージョン可)、多数 VPC+オンプレは Transit Gateway(ハブ&スポーク・ルートテーブルで分離・ピアリングアタッチメントでリージョン間・帯域はアタッチメント単位)。サービスを「提供」する向きの片方向公開は PrivateLinkNLB の背後を エンドポイントサービスとして公開し、消費側は インターフェイスエンドポイント=重複 CIDR でも可・一方向)。オンプレは Direct Connect(専用線・低遅延/安定・Public/Private/Transit VIF・複数で冗長や LAG)を主、Site-to-Site VPN をバックアップに(IPsec・即時・安価)。VPN を Direct Connect 上に張る Direct Connect 上の VPN で暗号化+専用線の両立も可能。DNS は Route 53 Resolverインバウンド/アウトバウンドエンドポイント転送ルール)でオンプレ⇔VPC の名前解決を相互化。大規模は「TGW をネットワークアカウントに置き RAM で各アカウントに共有」「DX+VPN フェイルオーバー」「重複 CIDR は PrivateLink/プライベート NAT で回避」が定番です。

要件選ぶもの特徴
多数 VPC+オンプレTransit Gatewayハブ&スポーク・ルートテーブルで分離
2 VPC を 1:1VPC ピアリング非推移・低コスト
サービスをプライベート提供PrivateLink一方向・重複 CIDR 可
オンプレ専用線Direct Connect(+VPN)低遅延/安定・VPN でバックアップ
補足

シナリオ: ネットワークアカウントに Transit Gateway を集約し、20 個の VPC と 2 拠点のオンプレを接続。オンプレは専用線を主、障害時は暗号化経路に切替えたい。→ TGW をネットワークアカウントに作成し AWS RAM で各アカウントへ共有、各 VPC をアタッチ。オンプレは Direct Connect(Transit VIF)を主回線、Site-to-Site VPN をバックアップにし、BGP で自動フェイルオーバーします。

補足

FAQ: Q. 重複した CIDR を持つ VPC 同士をつなぐには? → A. ピアリング/TGW は重複 CIDR 不可。サービス提供だけなら PrivateLink(重複可・一方向)か、プライベート NAT で回避します。Q. Direct Connect だけで十分? → A. 単一だと障害時に断。Site-to-Site VPN を併用してフェイルオーバーするのが定番です。

注意

ひっかけ: 「重複 CIDR の VPC でも Transit Gateway なら相互ルーティングできる」は誤りです。TGW/ピアリングは重複 CIDR を扱えません(PrivateLink やプライベート NAT で回避)。また「Direct Connect は暗号化された専用線」も誤り(DX 自体は暗号化されない=必要なら MACsec や VPN over DX を併用)。

1.3.2この節のまとめ

  • 多数接続=Transit Gateway(ハブ&スポーク)/少数=ピアリング
  • オンプレ=Direct Connect(専用線)+VPN(バックアップ)/私的公開=PrivateLink

進捗の記録にはログインが必要です。

理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. 50 個の VPC と複数のオンプレミス拠点を相互接続したい。ピアリングのフルメッシュを避ける最適なサービスはどれですか?

Q2. 自社の SaaS を、顧客の VPC からインターネットを経由せずプライベートに利用させたい。何を使いますか?

Q3. オンプレミスと AWS の間で、低遅延で安定した専用線接続を主回線、暗号化 VPN をバックアップにしたい。主回線に使うのはどれですか?

理解度を確認第1章「組織の複雑さに対応する設計」の問題を解く