第5章 · セキュリティポリシーと手順·v1.0.0·更新 2026/7/20·読了目安 約16分
変更要約: 初版
5.4ネットワークとサーバのプロファイリング
この節の要点
正常時のベースラインを確立して逸脱から異常を見つけるプロファイリングを、ネットワークプロファイリング(総スループット・セッション時間・使用ポート・重要資産アドレス空間)とサーバプロファイリング(リスニングポート・ログイン中ユーザ/サービスアカウント・実行中プロセス/タスク・アプリケーション)の要素から学びます。
「何が異常か」を知るには、まず「何が正常か」を知らなければなりません。プロファイリングは、正常時の振る舞いをベースラインとして測っておき、そこからの逸脱で異常を炙り出す考え方です。シグネチャ(既知の攻撃パターン)に頼る検知が未知の攻撃を取りこぼすのに対し、プロファイリングは「いつもと違う」を根拠に未知の兆候も拾えます。この節では、ネットワーク側とサーバ側で何を測るのか、その逸脱がどんな侵害を示すのかを、SOCの異常検知の判断として学びます。
5.4.1ネットワークプロファイリングの要素
- 総スループット(total throughput)=単位時間あたりの通信量。ベースラインより急増すればデータ持ち出し(exfiltration)やDDoS、急減すればサービス障害や遮断を疑う。セッション時間(session duration)=通信の継続時間。極端に長い/規則的なセッションはC2ビーコンの兆候になり得る。
- 使用ポート(ports used)=通常観測されるポートの集合。ベースラインにない未知のポートや異常なポート組合せは、不正サービスやトンネリングの兆候。重要資産のアドレス空間(critical asset address space)=守るべきサーバ群のIP範囲を把握し、そこへの/からの異常な通信を優先監視する。「どこが重要か」を定義することで検知の焦点が定まる。
5.4.2サーバプロファイリングの要素
- リスニングポート(listening ports)=サーバが待ち受けている(LISTEN状態の)ポート集合。ベースラインにない新規のリスニングポートは、バックドアや不正サービスの強い兆候。ログイン中ユーザ/サービスアカウント(logged-in users / service accounts)=現在ログオンしている利用者やサービス実行アカウント。想定外のアカウント・深夜の管理者ログイン・普段使われないサービスアカウントの活動は要注意。
- 実行中プロセス/タスク(running processes / tasks)=稼働中のプロセスとスケジュールされたタスク。ベースラインにない不審なプロセス名・親子関係、見慣れない定期タスク(永続化の手口)は侵害の兆候。アプリケーション(applications)=インストール/稼働しているソフトウェア群。承認外のアプリや改変されたバイナリは、マルウェアやポリシー違反を示す。

