Instiq
第5章 · セキュリティポリシーと手順·v1.0.0·更新 2026/7/20·読了目安 約17分

変更要約: 初版

5.3ステークホルダーとデジタルフォレンジック

この節の要点

組織のステークホルダーNIST IRカテゴリ(およびCMMCの成熟度観点)に対応づける考え方と、NIST SP800-86が示す証拠収集の順序(揮発性の高い順)・データ完全性・データ保全・揮発データの収集を、「証拠を壊さずに正しく集めるにはどう動くか」という判断として学びます。

インシデント対応は技術者だけの仕事ではありません。法務・広報・人事・経営・場合によっては法執行機関まで、適切なステークホルダーを適切な役割で巻き込むことが成否を分けます。同時に、集めた証拠が後で法的に通用するかは、どの順序で・どう完全性を保ちながら集めたかで決まります。この節では、ステークホルダーの対応づけとフレームワーク(NIST IRカテゴリ・CMMC)、そしてNIST SP800-86のフォレンジック原則を、SOCアナリストが証拠を壊さずに動くための判断として学びます。

5.3.1ステークホルダーとフレームワーク

  • ステークホルダーの対応づけ=インシデントの種類・影響に応じて、誰を・いつ・どの役割で関与させるかを事前に決めること。経営(意思決定・承認)/法務(法的リスク・証拠の扱い)/広報(対外説明)/人事(内部不正・従業員対応)/IT/SOC(技術対応)/法執行機関(犯罪捜査)などを、影響区分に応じて動員する。関与の遅れや役割の混線は対応を致命的に遅らせる。
  • NIST IRカテゴリ=インシデントを機能的影響・情報影響・復旧可能性などの区分で分類し、通知すべき相手や対応の優先度を決める枠組み。CMMC(Cybersecurity Maturity Model Certification)は主に米国防関連のサプライチェーンに求められるセキュリティ成熟度の認証枠組みで、組織のプロセスがどの成熟レベルにあるかを段階的に評価する。両者とも「誰にどこまで対応義務があるか」を体系づける。

5.3.2NIST SP800-86 のフォレンジック原則

続きは無料登録で読めます

冒頭を無料で公開中。無料登録でこの節の全文と、第4章以降を含む全参考書・全問題集が読めます。