変更要約: in-scope サービス網羅: 第3章3節に応用を支える AI/ML の in-scope サービス節を追加(Amazon SageMaker AI/Amazon Personalize/Amazon Augmented AI=A2I)
3.2RAG とファインチューニング
基盤モデルを自社の用途に合わせる2つの主要なアプローチ——RAG(検索拡張生成)とファインチューニング——の違いと使い分けを理解します。
汎用の基盤モデルを自社の知識や用途に合わせるには、主に RAG と ファインチューニング の2つの方法があります。目的に応じて使い分けます。
3.2.12つのアプローチ
- RAG(検索拡張生成):質問時に自社データを検索して関連情報をプロンプトに添え、モデル自体は変えない。最新・非公開の事実に強く、出典提示でハルシネーション低減に役立つ。
- ファインチューニング:自社のラベル付きデータでモデルを追加学習し、振る舞いや文体・専門知識を内在化させる。手間・コスト・データ準備の負担は大きい。
両者の本質的な違いは「知識をどこに置くか」です。RAG は知識をモデルの外(検索される文書)に置き、回答のたびに参照します。だから文書を更新すればすぐ最新情報に反映され、どの文書を根拠にしたか出典も示せます。一方ファインチューニングは知識や振る舞いをモデルの中(重み)に取り込みます。特定の文体・形式・専門タスクへの深い適応に向きますが、新しい事実が出るたびに再学習が必要で、コストもかかります。AIF-C01 では「事実の鮮度・出典が重要なら RAG/振る舞いの深い適応が必要ならファインチューニング」、そして「まず RAG を検討し、足りなければファインチューニング」という順序を押さえます。両者は併用も可能です。
| 観点 | RAG | ファインチューニング |
|---|---|---|
| 知識の置き場所 | モデルの外(検索文書) | モデルの中(重み) |
| モデル自体 | 変えない | 追加学習で変える |
| 最新情報 | 文書更新で即反映 | 再学習が必要 |
| 向く目的 | 最新/社内の事実・出典提示 | 文体・形式・専門タスクの適応 |
| 手間・コスト | 比較的小 | 大 |
シナリオ:社内ヘルプデスク。 規程やマニュアルは頻繁に更新されるので、回答はRAGで最新文書を検索して根拠付け(出典付き・ハルシネーション低減)。一方、回答を常に自社のフォーマットや丁寧な口調に揃えたい場合はファインチューニングでその文体を内在化。まず RAG で運用し、文体の一貫性が課題になったらファインチューニングを足す、という順序が実務的です。
混同に注意:
①RAG はモデルを変えない(外部知識を参照)/ファインチューニングはモデルを変える(重みに取り込む)。
②「最新情報を反映」は RAG が得意(ファインチューニングは再学習が必要)。
③どちらも「学習データの偏り」や「出力の正しさ」の責任は利用者側に残る。
④RAG とプロンプト工夫(前節)も別概念。
Q. RAG とファインチューニングは併用できる? はい。文体はファインチューニング、最新事実は RAG、と役割分担できます。Q. ハルシネーション低減に効くのは? 主に RAG(根拠文書と出典を与える)。Q. AWS で RAG を実現するには? Amazon Bedrock のナレッジベースなどを使います(前章)。
「最新/社内の事実を参照させたい=RAG(モデルは変えない・外部知識)」「振る舞いや文体そのものを変えたい=ファインチューニング(追加学習・重みに内在化)」の使い分けが頻出です。RAG はハルシネーション低減にも有効。順序は「まず RAG、足りなければファインチューニング」。
3.2.2この節のまとめ
- RAG=知識をモデルの外に置き検索で参照(モデルは不変・最新情報/出典に強い)
- ファインチューニング=知識/振る舞いをモデルの重みに内在化(深い適応・手間大)
- 順序は「まず RAG、足りなければファインチューニング」。併用も可
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理解度チェック
(軽い確認用)Q1. 最新の社内ドキュメントを参照して回答の正確性を高めたいが、モデル自体は変えたくない場合に適すのはどれですか?
Q2. 自社のラベル付きデータでモデルを追加学習し、振る舞いや文体そのものを変えたい場合に適すのはどれですか?
Q3. RAG が特に役立つ効果として適切なものはどれですか?

