変更要約: 各節に図(figure)を追加=cert-figure-retrofit。AI-901 第1章を新規作成(ドメイン1「AI の概念と責任ある AI」: ワークロード=生成/エージェント/テキスト分析/音声/CV/情報抽出、Microsoft Foundry 概観、責任ある AI 6原則+生成AI/エージェント固有リスクと対策)
1.2責任ある AI の原則
AI を安全・公正・透明に使うための Microsoft の「責任ある AI」6原則(公平性/信頼性と安全性/プライバシーとセキュリティ/包括性/透明性/説明責任)と、生成 AI・エージェント特有のリスク(ハルシネーション・有害コンテンツ・プロンプトインジェクション)への対策を理解します。
AI は強力な反面、偏り(バイアス)・誤り・プライバシー侵害・悪用などのリスクも伴います。Microsoft は AI を健全に活用するための指針として 責任ある AI(Responsible AI)の6原則を定めています。これらは抽象的な理念にとどまらず、Foundry や Azure では各原則を支える具体的なツールや機能が用意されています。AI-901 では、各原則の意味と、特に生成 AI/エージェント特有のリスクへの対策を結べることが重要です。
1.2.16つの原則
- 公平性(Fairness):特定のグループに不当な偏りを生まないようにする。
- 信頼性と安全性(Reliability & safety):一貫して安全に動作し、想定外の入力にも耐える。
- プライバシーとセキュリティ(Privacy & security):個人データを保護し、安全に扱う。
- 包括性(Inclusiveness):あらゆる人(障がいの有無等を問わず)が利用できるようにする。
- 透明性(Transparency):AI の動作・能力・限界を理解できるようにする。
- 説明責任(Accountability):AI の結果に対して人(組織)が責任を負う統制を持つ。
| 原則 | キーワード | 具体例 |
|---|---|---|
| 公平性 | 偏りを避ける | 採用AIが性別で差別しない |
| 信頼性と安全性 | 安全に一貫動作 | 異常入力でも暴走しない |
| プライバシーとセキュリティ | データ保護 | 個人情報を匿名化/保護 |
| 包括性 | 誰もが利用 | 音声/字幕で障がい者も利用可 |
| 透明性 | 説明できる | なぜその判断かを説明 |
| 説明責任 | 人が責任 | 結果に組織が責任を持つ |
1.2.2生成 AI・エージェント特有のリスクと対策
生成 AI とエージェントには、従来の AI にはない固有のリスクがあります。代表的なのが ハルシネーション(もっともらしいが事実でない内容を生成する)、有害コンテンツ(暴力・憎悪・性的・自傷などの不適切な出力)、プロンプトインジェクション(悪意ある入力でモデルの指示を乗っ取る攻撃)です。エージェントは自律的にツールを実行するため、誤った行動が実害につながりやすい点にも注意が必要です。対策として、Foundry では Azure AI Content Safety による有害コンテンツの検出・ブロック、根拠付け(グラウンディング/RAG)による事実性の向上、人間による確認(human-in-the-loop)、エージェントの権限・ツールの制限などを組み合わせます。
| リスク | 内容 | 主な対策 |
|---|---|---|
| ハルシネーション | 事実でない内容を自信げに生成 | 根拠付け(RAG)/出典提示/人の確認 |
| 有害コンテンツ | 暴力・憎悪・性的・自傷など | Azure AI Content Safety で検出・ブロック |
| プロンプトインジェクション | 悪意ある入力で指示を乗っ取る | 入力フィルタ/システム指示の保護/権限制限 |
| エージェントの誤動作 | 自律実行が実害を生む | ツール/権限の最小化/human-in-the-loop |
Q. 透明性と説明責任の違いは? 透明性は「仕組みや根拠が理解できる」こと、説明責任は「結果に対して人・組織が責任を負い統制する」こと。前者は“分かる”、後者は“責任を持つ”。Q. ハルシネーションは有害コンテンツと同じ? 違います。ハルシネーションは「事実でない」問題(対策=根拠付け)、有害コンテンツは「不適切・危険」な出力の問題(対策=Content Safety)です。
混同に注意:
①公平性(偏りを避ける)と包括性(誰もが利用できる=アクセシビリティ)。
②透明性(理解できる)と説明責任(人が責任・統制)。
③ハルシネーション(事実性・根拠付けで対策)と有害コンテンツ(安全性・Content Safety で対策)を取り違えない。
「原則/リスク → 対策」を結ぶ問題が頻出です。例:「採用 AI が性別で偏らない」=公平性、「判断根拠を説明できる」=透明性、「結果の責任を人が持つ」=説明責任、「事実でない出力を減らす」=根拠付け(RAG)、「不適切な出力をブロック」=Azure AI Content Safety、「悪意ある入力で指示が乗っ取られる」=プロンプトインジェクション。
1.2.3この節のまとめ
- 責任ある AI の6原則:公平性/信頼性と安全性/プライバシーとセキュリティ/包括性/透明性/説明責任
- 生成 AI/エージェント固有リスク:ハルシネーション(→根拠付け)/有害コンテンツ(→Content Safety)/プロンプトインジェクション/エージェント誤動作(→権限最小化・人の確認)
- 試験は「原則/リスク → 対策」の対応が鍵
進捗の記録にはログインが必要です。
理解度チェック
(軽い確認用)Q1. 生成 AI が「もっともらしいが事実ではない」内容を出力してしまう現象を何と呼びますか?
Q2. 暴力・憎悪・性的などの不適切な出力を検出・ブロックする Azure のサービスはどれですか?
Q3. 悪意ある入力によってモデルへの指示を乗っ取ろうとする攻撃を何と呼びますか?
Q4. 採用選考の AI が特定の性別に不利にならないようにすることは、どの原則に最も関係しますか?
Q5. AI の結果に対して最終的に人(組織)が責任を負う統制を表す原則はどれですか?
Q6. 自律的にツールを実行するエージェントの誤動作による実害を抑える対策として最も適切なものはどれですか?

