変更要約: 各節に図(figure)を追加=cert-figure-retrofit。AI-901 第1章を新規作成(ドメイン1「AI の概念と責任ある AI」: ワークロード=生成/エージェント/テキスト分析/音声/CV/情報抽出、Microsoft Foundry 概観、責任ある AI 6原則+生成AI/エージェント固有リスクと対策)
1.1AI のワークロードと種類
AI とは何か、AI・機械学習・深層学習の関係、そして AI-901 で重視される代表的な AI ワークロード(生成 AI・エージェント型 AI・テキスト分析・音声・コンピュータービジョン・情報抽出)の種類と用途を理解します。Azure がこれらを Microsoft Foundry 上で統一的に提供する全体像も押さえます。
AI(人工知能, Artificial Intelligence)とは、本来は人間が行う「学習・予測・認識・言語理解・推論」などの働きを、ソフトウェアで実現する技術の総称です。AI-901 はその入門資格で、深い数学は問われません。代わりに、「どんな技術が・何のために使えるか」という地図と、「それを Microsoft Foundry でどう実装するか」の基礎を持つことが求められます。最重要スキルは「やりたいこと(シナリオ)から、適切なワークロードを選べる」ことです。
1.1.1AI・機械学習・深層学習の関係
まず用語の包含関係を押さえます。最も広い概念が AI で、その中に 機械学習(Machine Learning, ML)が含まれ、さらにその中に 深層学習(Deep Learning)が含まれます。AI は「賢く振る舞うソフト全般」、機械学習は「データから規則を学ぶ手法」、深層学習は「多層のニューラルネットワークを使う機械学習の一種」です。今日の生成 AI や音声・画像認識の多くは、この深層学習が支えています。AI-901 では、機械学習が他の多くのワークロードの内部で動く土台だ、という関係を理解しておくと混乱しません。
1.1.2AI-901 で重視される代表的なワークロード
- 生成 AI(Generative AI):文章・画像・コードなど新しいコンテンツを生成する(大規模言語モデル等)。AI-901 の中心テーマ。
- エージェント型 AI(Agentic AI):目標を与えると、自律的に手順を計画し・ツールを呼び出して実行する AI。生成 AI を「考えて動く」形に拡張したもの。
- テキスト分析(Text analysis / NLP):文章の意味・感情・エンティティ・意図を抽出する。
- 音声(Speech):音声↔テキスト変換(音声認識・読み上げ)や翻訳を行う。
- コンピュータービジョン(Computer vision):画像や動画を解析し、物体・顔・文字(OCR)などを認識する。
- 情報抽出(Information extraction):請求書・フォーム・画像・音声・動画から項目や要点を構造化して抽出する(Azure Content Understanding)。
これらは、扱う入力データと目的で整理すると覚えやすくなります。新しいコンテンツを作るのが生成 AI、目標達成のため自律的に動くのがエージェント型 AI、言葉(テキスト)を扱うのがテキスト分析、音声を扱うのが音声、画像・動画を扱うのがコンピュータービジョン、書類や各種ファイルから要点を取り出すのが情報抽出です。試験では入力データと目的の両方からワークロードを判断します。
| やりたいこと(例) | ワークロード | Foundry での実現例 |
|---|---|---|
| メールの下書きを作成 | 生成 AI | Foundry Models(GPT 等)にチャット補完を要求 |
| 予約変更を自律的に処理 | エージェント型 AI | Foundry Agent Service でツール連携エージェント |
| 問い合わせの感情を判定 | テキスト分析 | Azure AI Language |
| 会議音声を文字起こし | 音声 | Azure AI Speech |
| 写真から物体/文字を認識 | コンピュータービジョン | Azure AI Vision |
| 請求書から金額を抽出 | 情報抽出 | Azure Content Understanding |
1.1.3Microsoft Foundry という統一プラットフォーム
AI-900 では「事前構築(Azure AI services)か、カスタム(Azure Machine Learning)か」という2分法が中心でした。AI-901 ではこれを発展させ、Microsoft Foundry(旧 Azure AI Foundry/さらに旧 Azure AI Studio)という1つのプラットフォーム上で、モデルの選択・デプロイ・アプリやエージェントの構築・評価・監視までを一貫して行う、という捉え方が中心になります。Foundry の中で、Microsoft や OpenAI などが提供する学習済みモデル(Foundry Models)をカタログから選び、用途に応じて生成 AI アプリやエージェントに組み込みます。汎用タスク向けの Azure AI services(Language・Speech・Vision・Content Understanding 等)も引き続き利用でき、Foundry はそれらを束ねる開発の入り口です。
命名の整理: 開発プラットフォームは Ignite 2025 で「Azure AI Studio → Azure AI Foundry → Microsoft Foundry」と改称されてきました。本書は最新名 Microsoft Foundry を主に用い、旧名を併記します。なお Azure OpenAI のモデルは廃止しておらず、Foundry のモデルカタログ(Foundry Models)の一部として引き続き利用できます。
シナリオ:問い合わせ対応の自動化。 受信メールの緊急度を テキスト分析で分類→添付画像の不良を コンピュータービジョンで確認→請求書PDFから金額を 情報抽出→過去回答を踏まえ返信案を 生成 AIで作成→確認・返信・予約変更まで エージェント型 AIが自律実行。複数ワークロードを Foundry 上で連携させ、1つの業務を自動化します。
混同に注意:
①生成 AI(コンテンツを作る)とエージェント型 AI(目標のため自律的に計画・実行する)——後者は前者に「ツール利用と複数ステップの行動」を加えたもの。
②コンピュータービジョン(画像一般の認識)と情報抽出/Content Understanding(書類・各種ファイルから構造化抽出)。
③OCR(文字認識)はコンピュータービジョンの一機能。
④ワークロード(やること)とサービス/プラットフォーム(製品名)を取り違えない。
「シナリオ → 適切なワークロード」を選ぶ問題が頻出です。例:「メールの下書きを作る」=生成 AI、「目標を与えると自律的に手順を実行」=エージェント型 AI、「問い合わせ文の感情を判定」=テキスト分析、「音声を文字起こし」=音声、「写真から商品を識別」=コンピュータービジョン、「請求書から金額を抽出」=情報抽出。実装は Microsoft Foundry 上で行う点も押さえます。
1.1.4この節のまとめ
- AI =人間の知的作業をソフトウェアで実現する技術の総称。AI ⊃ 機械学習 ⊃ 深層学習
- AI-901 の主要ワークロード:生成 AI/エージェント型 AI/テキスト分析/音声/コンピュータービジョン/情報抽出
- 実装の中心は Microsoft Foundry(モデル選択→デプロイ→アプリ/エージェント構築→評価→監視)。Azure OpenAI モデルは Foundry Models として継続
- 試験は「シナリオ → ワークロード」の対応が鍵。ワークロードは組み合わせて使う
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理解度チェック
(軽い確認用)Q1. 目標を与えると、自律的に手順を計画し、ツールを呼び出して実行する AI の種類はどれですか?
Q2. 新しい文章や画像などのコンテンツを作り出すワークロードはどれですか?
Q3. 請求書やフォーム、画像・音声・動画から項目や要点を構造化して抽出する Azure の機能はどれですか?
Q4. AI-901 で、モデルの選択・デプロイからアプリ/エージェント構築・評価・監視までを一貫して行う中心的なプラットフォームはどれですか?
Q5. AI・機械学習・深層学習の包含関係として正しいものはどれですか?
Q6. 会議の音声を文字起こししたい場合に最も適したワークロードはどれですか?

