変更要約: AI-900 第1章を AZ-900 基準まで深掘り(AI⊃ML⊃深層学習の関係、提供形態=事前構築/カスタム比較表、原則別Azureツール表、バイアスの仕組み、FAQ・追加クイズ)
1.1AI のワークロードと種類
AI とは何か、AI・機械学習・深層学習の関係、Azure でよく扱う AI ワークロード(機械学習・コンピュータービジョン・自然言語処理・ドキュメントインテリジェンス・ナレッジマイニング・生成 AI)の種類と用途、そして Azure がそれらを「事前構築」か「カスタム」で提供する仕組みを理解します。AI-900 の出発点です。
AI(人工知能, Artificial Intelligence)とは、本来は人間が行う「学習・予測・認識・言語理解」などの働きを、ソフトウェアで実現する技術の総称です。AI-900 はその入門資格で、深い数学やプログラミングは問われません。代わりに、「どんな技術が・何のために・どのサービスで使えるか」という地図を持つことが求められます。最重要スキルは「やりたいこと(シナリオ)から、適切なワークロードとサービスを選べる」ことです。
1.1.1AI・機械学習・深層学習の関係
まず用語の包含関係を押さえます。最も広い概念が AI で、その中に 機械学習(Machine Learning, ML)が含まれ、さらにその中に 深層学習(Deep Learning)が含まれます。AI は「賢く振る舞うソフト全般」、機械学習は「データから規則を学ぶ手法」、深層学習は「多層のニューラルネットワークを使う機械学習の一種」です。今日の画像認識・音声認識・生成 AI の多くは、この深層学習が支えています。AI-900 では、機械学習が他の多くのワークロード(コンピュータービジョン・NLP・生成 AI)の内部で動く土台だ、という関係を理解しておくと混乱しません。
1.1.2代表的な AI ワークロード
- 機械学習(Machine Learning):データから規則(パターン)を学び、予測を行う。AI の土台で、他の多くのワークロードの内部でも使われる。
- コンピュータービジョン(Computer Vision):画像や動画を解析し、物体・顔・文字(OCR)などを認識する。
- 自然言語処理(NLP):文章の意味・感情・意図を理解し、翻訳や要約、音声認識を行う。
- ドキュメントインテリジェンス:請求書やレシート・フォームから項目(金額・日付等)を抽出する。
- ナレッジマイニング:大量の文書から情報を抽出・索引化し、検索可能にする(Azure AI Search)。
- 生成 AI(Generative AI):文章・画像・コードなど新しいコンテンツを生成する(大規模言語モデル等)。
これらのワークロードは、扱う入力データの種類で大まかに整理すると覚えやすくなります。画像・動画を扱うのがコンピュータービジョンとドキュメントインテリジェンス、言葉(テキスト・音声)を扱うのが自然言語処理、表形式の数値データから予測するのが機械学習、大量の文書を検索可能にするのがナレッジマイニング、そして新しいコンテンツを作り出すのが生成 AI です。試験では入力データと目的の両方からワークロードを判断します。
| やりたいこと(例) | ワークロード | Azure サービス例 |
|---|---|---|
| 売上を数値で予測 | 機械学習 | Azure Machine Learning |
| 写真から物体/文字を認識 | コンピュータービジョン | Azure AI Vision |
| 文章の感情/意図を判定 | NLP | Azure AI Language |
| 請求書から金額を抽出 | ドキュメントインテリジェンス | Azure AI Document Intelligence |
| 社内文書を横断検索 | ナレッジマイニング | Azure AI Search |
| メールの下書きを作成 | 生成 AI | Azure OpenAI Service |
1.1.3Azure はワークロードをどう提供するか(事前構築 vs カスタム)
Azure は AI を大きく2つの形で提供します。1つは Azure AI services(旧 Cognitive Services)で、Microsoft が学習済みのモデルを API として提供するもの。キーとエンドポイントを使えば、自分でデータを集めて学習させなくても、すぐに画像認識・翻訳・感情分析などを呼び出せます。もう1つは Azure Machine Learning で、自分のデータで独自モデルを一から学習・デプロイするためのプラットフォームです。「よくある汎用タスクは事前構築(Azure AI services)/自社固有の予測はカスタム(Azure ML)」という使い分けが基本です。Custom Vision のように、事前構築の枠組みの中で自分の画像だけ追加学習させる中間的な選択肢もあります。
| 観点 | 事前構築(Azure AI services) | カスタム(Azure Machine Learning) |
|---|---|---|
| 学習データ | 不要(学習済み) | 自分で用意して学習 |
| 利用方法 | キー+エンドポイントで API 呼び出し | 学習→評価→デプロイのワークフロー |
| 向くケース | 汎用タスク(翻訳・感情分析・OCR 等) | 自社固有の予測(需要予測・独自分類) |
| 必要な専門性 | 低い(すぐ使える) | 高い(データサイエンスの知識) |
これらのワークロードは独立ではなく組み合わせて使えます。たとえばナレッジマイニングは、コンピュータービジョン(OCR)や NLP で抽出した情報を検索可能にします。また多くのワークロードの内部では機械学習が動いています。「1シナリオ=1ワークロード」とは限らない点に注意しましょう。
シナリオ:保険の請求処理を自動化。 申請書(紙)を ドキュメントインテリジェンスで項目抽出→添付写真の損傷を コンピュータービジョンで判定→問い合わせ文の緊急度を NLPで分類→過去事例を ナレッジマイニングで検索→回答文の下書きを 生成 AIで作成。複数ワークロードを連携させ、1つの業務を自動化します。
混同に注意:
①コンピュータービジョン(画像)とドキュメントインテリジェンス(帳票から構造化抽出)——どちらも画像入力だが、後者は「フォームの項目抽出」に特化。
②ナレッジマイニング(既存文書を検索可能化)と生成AI(新規コンテンツ生成)は別物。
③OCR(文字認識)はコンピュータービジョンの一機能。
④ワークロード(やること)とサービス(製品名)を取り違えない。
Q. 機械学習と生成 AI は何が違う? 一般的な機械学習(分類・回帰)は「既存の答えを選ぶ/数値を当てる」のが目的。生成 AI は「新しいコンテンツを作り出す」のが目的です。どちらも内部では学習済みモデルを使いますが、出力が「ラベル/数値」か「文章/画像」かで区別します。Q. Azure AI services と Azure Machine Learning、どちらを選ぶ? すぐ使える汎用タスクなら前者、自社データで独自モデルが必要なら後者です。
「シナリオ → 適切なワークロード」を選ぶ問題が頻出です。例:「写真から商品を識別」=コンピュータービジョン、「問い合わせ文の感情を判定」=NLP、「請求書から金額を抽出」=ドキュメントインテリジェンス、「社内文書を横断検索」=ナレッジマイニング、「メールの下書きを作成」=生成 AI。さらに「学習データがない・汎用タスク」なら Azure AI services、「自社データで予測モデルを作る」なら Azure Machine Learning を選ばせる問題もあります。
1.1.4この節のまとめ
- AI =人間の知的作業をソフトウェアで実現する技術の総称。AI ⊃ 機械学習 ⊃ 深層学習
- 主要ワークロード:機械学習/コンピュータービジョン/NLP/ドキュメントインテリジェンス/ナレッジマイニング/生成 AI
- 提供形態:事前構築=Azure AI services(汎用・学習不要)/カスタム=Azure Machine Learning(自社データで学習)
- 試験は「シナリオ → ワークロード(→サービス)」の対応が鍵。ワークロードは組み合わせて使う
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理解度チェック
(軽い確認用)Q1. 写真に写っている物体を自動で識別したい場合、最も適した AI ワークロードはどれですか?
Q2. 問い合わせメールの「感情(ポジティブ/ネガティブ)」を判定したい場合、適した AI ワークロードはどれですか?
Q3. 新しい文章や画像などのコンテンツを作り出す AI ワークロードはどれですか?
Q4. 請求書やレシートから金額や日付などの項目を抽出したい場合に最も適したワークロードはどれですか?
Q5. 大量の社内文書を索引化して横断的に検索できるようにするワークロードはどれですか?
Q6. AI・機械学習・深層学習の包含関係として正しいものはどれですか?
Q7. 学習データを用意せず、汎用的な翻訳や感情分析をすぐに API で利用したい場合に適したのはどれですか?

