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第1章 · 安全なアーキテクチャの設計·v2.1.0·更新 2026/7/16·読了目安 約9分

変更要約: in-scope サービス網羅: ID管理(Cognito/Directory Service/IAM Identity Center)・鍵/証明書(CloudHSM/ACM)・脅威検出(GuardDuty/Inspector/Macie/Detective/Security Hub)・ネットワーク防御(Network Firewall/Firewall Manager)・コンプライアンス(Artifact/Audit Manager)を各節に追加

1.3VPC とネットワークセキュリティ

この節の要点

VPC・サブネット(公開/非公開)、セキュリティグループとネットワーク ACL の違い、WAF/Shield などのネットワーク防御を理解します。

VPC は AWS 内のプライベートネットワークです。公開サブネット(インターネット向け)と非公開サブネット(DB 等) を分け、適切に通信を制御することが安全な設計の基本です。

1.3.1セキュリティグループとネットワーク ACL

セキュリティグループ(インスタンス=ENI レベル・ステートフル・許可ルールのみ)と、ネットワーク ACL(サブネットレベル・ステートレス・許可と拒否のルール)を対比した図。
セキュリティグループ と NACL
  • セキュリティグループインスタンス(ENI)レベルステートフル(戻り通信を自動許可)で、許可ルールのみ
  • ネットワーク ACL(NACL)サブネットレベルステートレス(戻りも明示許可が必要)で、許可と拒否の両方を設定できる。
  • 外部接続:インターネットゲートウェイ(IGW)=公開サブネットの出入口、NAT ゲートウェイ=非公開サブネットからの外向き通信のみ許可。
  • WAF(L7 アプリ保護)/Shield(DDoS 保護)/VPC エンドポイント(AWS サービスへ AWS 内部経由で接続)で防御を重ねる。
観点セキュリティグループネットワーク ACL
適用レベルインスタンス(ENI)サブネット
状態ステートフルステートレス
ルール許可のみ許可+拒否
戻り通信自動許可明示許可が必要

VPC 設計の定石は、インターネットに面する層(ALB や踏み台)は公開サブネットアプリや DB は非公開サブネットに置き、層ごとにセキュリティグループで通信を絞ることです。非公開サブネットのインスタンスがパッチ取得などで外部へ出る必要があるときは、NAT ゲートウェイを経由させます(外からは入れない)。セキュリティグループと NACL は多層防御として併用しますが、細かな制御は基本セキュリティグループで行い、NACL はサブネット全体の粗い遮断(特定 IP の拒否など)に使います。さらに S3 や DynamoDB へは VPC エンドポイントでインターネットを経由せず安全・低コストに接続できます。

シナリオ:3層アーキテクチャ。 ALB は公開サブネット、アプリ EC2 と RDS は非公開サブネット。セキュリティグループで「ALB→アプリは 443、アプリ→RDS は 3306 のみ、しかも各 SG を参照元に指定」と最小化。アプリの外向きパッチ取得はNAT ゲートウェイ経由。S3 への接続はVPC エンドポイントでインターネットを使わない。DB を公開サブネットに置かないのが鉄則です。

注意

混同に注意:
セキュリティグループ=インスタンス/ステートフル/許可のみ / NACL=サブネット/ステートレス/許可・拒否
IGW(公開の出入口)と NAT ゲートウェイ(非公開からの外向きのみ)を取り違えない。
③DB は非公開サブネット
④AWS サービスへ内部接続するならVPC エンドポイント

補足

Q. セキュリティグループと NACL はどちらで制御? 通常はステートフルで扱いやすいセキュリティグループ中心、NACL はサブネット全体の粗い遮断に。併用が多層防御。Q. IGW と NAT の違いは? IGW は公開サブネットの双方向の出入口、NAT は非公開サブネットからの外向き通信のみ。Q. VPC エンドポイントの利点は? AWS サービスへインターネットを経由せず接続でき、安全・低コスト。

試験ポイント

「セキュリティグループ=インスタンス/ステートフル/許可のみ」「NACL=サブネット/ステートレス/許可・拒否」「DB は非公開サブネット」「非公開からの外向き=NAT ゲートウェイ」「AWS サービスへ内部接続=VPC エンドポイント」は SAA 頻出です。

1.3.2その他の主要 in-scope サービス(脅威検出・ネットワーク防御・コンプライアンス)

ネットワーク制御に加え、脅威の検出と調査のマネージドサービス群を押さえます。Amazon GuardDutyログを分析して悪意ある挙動や異常を継続検出する脅威検知(有効化するだけで運用)。Amazon InspectorEC2/コンテナ/Lambda の脆弱性を自動スキャンAmazon MacieS3 内の個人情報など機微データを検出/分類Amazon Detective検出結果の根本原因をログ相関で調査。複数の検出結果を一元的に集約・優先度付けするのが AWS Security Hub です。ネットワーク防御では、AWS Network FirewallVPC のステートフルなマネージドファイアウォールを提供し、AWS Firewall Manager組織全体のファイアウォール規則(WAF/Network Firewall/セキュリティグループ)を一元管理します。

コンプライアンスの証跡では、AWS ArtifactAWS のコンプライアンス報告書(SOC/ISO など)をオンデマンドで取得でき、監査人へ提出する第三者証明が要るときに使います。AWS Audit Manager統制への準拠状況の証跡収集を自動化し、監査レポートの作成負荷を下げたいときに選びます。

やりたいことサービス
悪意ある挙動/異常の継続検出Amazon GuardDuty
EC2/コンテナ/Lambda の脆弱性スキャンAmazon Inspector
S3 の機微データ検出/分類Amazon Macie
検出結果の原因をログ相関で調査Amazon Detective
検出結果を一元集約・優先度付けAWS Security Hub
VPC のステートフルマネージド FWAWS Network Firewall
組織全体の FW 規則を一元管理AWS Firewall Manager
コンプライアンス報告書の取得AWS Artifact
統制準拠の証跡収集を自動化AWS Audit Manager

1.3.3この節のまとめ

  • 公開/非公開サブネットで分離、DB は非公開。外向きはNAT、出入口はIGW
  • セキュリティグループ(インスタンス/ステートフル/許可のみ)/NACL(サブネット/ステートレス/許可・拒否)
  • AWS サービスへはVPC エンドポイント、L7 は WAF、DDoS は Shield

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理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. セキュリティグループの特徴として正しいものはどれですか?

Q2. サブネットレベルで動作し、許可と拒否の両方のルールを設定できるのはどれですか?

Q3. データベースを配置する場所として最も安全なのはどれですか?

理解度を確認第1章「安全なアーキテクチャの設計」の問題を解く