変更要約: CLF-C02 第2章を新基準で全面拡充(リージョン/AZ/エッジ/包含・選択軸、SPOF/マルチAZ+ELB+Auto Scaling/HA・耐障害性・弾力性/DR)
2.2高可用性と耐障害性の設計
単一障害点を避け、複数 AZ への分散・ロードバランシング・Auto Scaling によって高可用性と耐障害性を実現する基本を理解します。
良い設計の基本は、単一障害点(SPOF:Single Point of Failure)を避け、障害が起きても動き続けることです。SPOF とは「そこが1か所壊れるだけで全体が止まる」弱点のこと。AWS では、構成要素を複数 AZ へ冗長化し、入口でロードバランサが振り分け、Auto Scaling が台数を自動調整する——この3点セットが高可用性の定番パターンです。
2.2.1複数 AZ での冗長化
- 複数の AZ にインスタンスを分散して配置する(マルチAZ)。
- ロードバランサ(Elastic Load Balancing, ELB)でトラフィックを各 AZ の正常なインスタンスへ分配する。
- Auto Scaling で需要や障害に応じてインスタンス数を自動調整する(落ちた分を補充)。
この3つが噛み合うと何が起きるか。あるAZが障害になっても、ELB はそのAZへの振り分けをやめて正常なAZのインスタンスへトラフィックを送り続けます。同時に Auto Scaling が不足分を別AZで起動して台数を回復。利用者から見ればほぼ無停止です。逆に、単一AZ・単一インスタンスだけの構成はそこがSPOFになり、1つの障害で全停止します。
2.2.2高可用性・耐障害性・弾力性
| 用語 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 高可用性(HA) | ダウンタイムを最小化し継続 | マルチAZ+ELB |
| 耐障害性 | 要素が壊れても全体は機能継続 | 冗長構成で無停止 |
| 弾力性 | 需要に応じ自動で増減 | Auto Scaling |
2.2.3周辺知識:災害復旧(DR)
マルチAZは「同一リージョン内」の高可用性です。リージョン全体に及ぶ広域災害に備えるには、別リージョンへのバックアップやレプリケーション=災害復旧(DR)を考えます。DR には目標として RPO(どこまでのデータ損失を許容するか) と RTO(どれだけ早く復旧するか) があり、コストとのバランスで「バックアップ&リストア/パイロットライト/ウォームスタンバイ/マルチサイト」などの戦略を選びます(上位資格で詳述)。CLF-C02 では「広域災害には別リージョン」「RPO/RTO という目標がある」を押さえれば十分です。
シナリオ:止められないWeb API。 EC2 を2つ以上のAZに置き、前段に ELB、台数は Auto Scaling で需要追従+障害時の自動補充。これで1つのAZ障害でも継続(高可用性)。さらに重大障害に備え、別リージョンへ定期バックアップ(DR)。SPOFを段階的に潰していきます。
混同に注意:
①高可用性(落とさない設計)と弾力性(需要に応じ自動増減)は別概念(弾力性=Auto Scaling、HA=マルチAZ+ELB)。
②マルチAZ(同一リージョン内のHA)とマルチリージョン(広域災害のDR)を取り違えない。
③ロードバランサ自体も冗長(AWSマネージドで自動冗長)。
「複数 AZ 配置 + ロードバランサ(ELB)+ Auto Scaling」で高可用性、という設計パターンと単一障害点(SPOF)を避ける原則は頻出です。HA(同一リージョン・マルチAZ)と DR(別リージョン)、HA と弾力性の違いにも注意。
2.2.4この節のまとめ
- 基本原則:単一障害点(SPOF)を避ける
- 高可用性パターン:複数 AZ + ロードバランサ(ELB)+ Auto Scaling
- 高可用性/耐障害性/弾力性を区別。広域災害は別リージョン(DR・RPO/RTO)
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理解度チェック
(軽い確認用)Q1. 高可用性を高めるための配置として最も適切なものはどれですか?
Q2. Auto Scaling の主な役割はどれですか?
Q3. 「単一障害点(SPOF)」を避けるべき理由として正しいものはどれですか?
Q4. ロードバランサ(Elastic Load Balancing)の主な役割はどれですか?
Q5. リージョン全体に及ぶ広域災害に備える方法として最も適切なものはどれですか?

