変更要約: 初版
3.2コンピュート・コラボ・セキュリティのAPI
コンピュートのUCS Manager(オンプレXML API)とIntersight(クラウドREST)、コラボのWebex APIとCUCMのAXL/UDS、セキュリティのXDR・Firepower(FMC)・ISE(ERS)・Secure Malware Analyticsを、「この運用要件はどのドメインのどのAPIで解くか」という判断として学びます。
Ciscoの自動化はネットワーク機器だけではありません。コンピュート(サーバ)・コラボレーション(会議/電話)・セキュリティの各ドメインにも管理APIがあり、試験は「この運用タスクはどのドメインのどのAPIで実現するか」を問います。ここでも暗記ではなく、要件が属するドメインを見極めて対象APIを引く判断が核です。UCSでサーバをプロビジョニングするのか、Webexにメッセージを流すのか、ISEでポリシーを引くのか——同じ「APIを呼ぶ」でも入口が違います。
3.2.1コンピュートのAPI
- UCS Manager=オンプレのUCSサーバ(Bシリーズ/ファブリックインターコネクト)を管理する。XMLベースのAPIでサービスプロファイル(サーバのアイデンティティ/設定のテンプレート)をプロビジョニングでき、ベアメタルの一貫した展開に効く。
- Intersight=クラウド(SaaS)型のインフラ運用プラットフォームで、UCSやHyperFlex等をREST APIで横断管理する。オンプレのUCS Managerが単一ドメイン管理なのに対し、Intersightはクラウドから複数拠点の在庫/ポリシー/監視を束ねる用途に向く。
3.2.2コラボレーションのAPI
- Webex API=クラウドのコラボ基盤をRESTで操作する。
rooms(スペース)・messages・memberships・webhooks等のリソースを持ち、Bearerトークン認証でボットやChatOps通知(例:障害検知時にスペースへメッセージ投稿)を作れる。 - CUCM(Unified Communications Manager)は構内IP電話の呼制御。管理系の自動化にはAXL(Administrative XML)(SOAP/XMLでユーザ/電話/回線を追加・変更する管理API)を、ディレクトリ検索など読み取り中心の用途にはUDS(User Data Services)(RESTの参照系)を使い分ける。
3.2.3セキュリティのAPI
- XDR=複数のセキュリティ製品からのテレメトリを相関させ、インシデントの検知/調査/対応を横断的に自動化する。Firepower(次世代IPS/FW)は管理コンソールFMCのREST APIでポリシー/オブジェクトを操作する。
- ISE(Identity Services Engine)=認証/認可とネットワークアクセス制御。ERS(External RESTful Services) APIでエンドポイント/ポリシー/ゲスト等を自動化する。Secure Malware Analytics(旧Threat Grid)は検体を投げて解析結果(挙動/判定)をAPIで受け取り、脅威判定を自動化する。
「UCS Manager=オンプレXML/Intersight=クラウドREST」「Webex=rooms/messages/webhooksのREST」「CUCM=AXL(SOAP管理系)とUDS(REST参照系)」「Firepower=FMC」「ISE=ERS」の対応が頻出です。「コンピュート/コラボ/セキュリティのどれで、管理か参照か」でAPIを引けるようにしましょう。
あなたはセキュリティ運用チームの自動化を頼まれ、3つの要件を受け取りました。「(1)新入社員の内線を100件まとめてCUCMに登録、(2)不審な添付ファイルを解析基盤に投げて判定を受け取り、悪性ならSOCのチャットに即通知、(3)侵害端末を検知したらアクセス網から隔離」。ここで全部を「セキュリティのAPI」と一括りにすると対象を取り違えます。(1)は電話システムの管理系書き込みなので、CUCMのAXL(SOAP/XMLの管理API)でユーザ/電話/回線を一括追加します——ここで参照専用のUDSを選ぶと書き込みができず要件を満たせません(UDSは検索/参照向け)。(2)は検体解析なのでSecure Malware Analyticsに検体を投げて判定(悪性/良性)をAPIで受け取り、悪性時はWebex APIのmessagesエンドポイントへPOSTしてSOCスペースに通知する、という2つのドメインをまたぐ連携になります。(3)はアクセス網の認可制御なので、ISEのERS APIで該当エンドポイントを隔離ポリシー(検疫)に移すのが筋で、Firepower(FMC)の防火壁ルールを触るのは境界の話であってアクセス網からの隔離とは別レイヤです。ここでの学びは、「セキュリティ自動化」でも管理/参照の別(AXL対UDS)と扱うドメイン(電話/検体解析/アクセス認可/境界FW)を切り分け、要件ごとに正しいAPIへ配線することが判断の本体だという点です。安易に1つのAPIへ寄せると、書き込み権限やスコープの不一致で詰まります。
| ドメイン | プラットフォーム | API | 代表的な用途 |
|---|---|---|---|
| コンピュート | UCS Manager / Intersight | XML(オンプレ)/ REST(クラウド) | サービスプロファイルの展開/横断在庫 |
| コラボ | Webex | REST(rooms/messages/webhooks) | ボット/ChatOps通知 |
| コラボ | CUCM | AXL(SOAP管理)/ UDS(REST参照) | ユーザ/電話の一括登録 / ディレクトリ検索 |
| セキュリティ | Firepower / ISE / XDR / SMA | FMC REST / ERS / XDR / 解析API | ポリシー操作/端末隔離/検体解析/相関対応 |
ひっかけ: 「CUCMの自動化はUDSで何でもできる」は誤りです——UDSはディレクトリ検索など参照系(読み取り)が中心で、ユーザ/電話の追加・変更(書き込み)はAXL(SOAP管理API)を使います。また「Intersightはオンプレ専用でUCS Managerのクラウド版ではない」も要注意=Intersightはクラウド(SaaS)でUCS等を横断管理し、単一ドメイン管理のUCS Manager(オンプレ)とは守備範囲が異なります。
3.2.4この節のまとめ
- コンピュートはUCS Manager(オンプレXML)とIntersight(クラウドREST)で守備範囲が違う
- コラボはWebex API(REST・messages/webhooks)とCUCMのAXL(SOAP管理)/UDS(REST参照)を使い分ける
- セキュリティはFirepower(FMC)・ISE(ERS)・XDR・Secure Malware Analyticsを、端末隔離/ポリシー/相関対応/検体解析という用途で引く
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理解度チェック
(軽い確認用)Q1. 新入社員100名分のIP電話の内線・回線・ユーザをCUCMへ一括登録する自動化を作りたい。CUCM側のインタフェース選択として最も適切なものはどれか。
Q2. 不審な添付ファイルを自動で解析し、悪性と判定された場合だけSOCのチャットスペースへ通知する仕組みを作る。判定取得と通知に使うAPIの組み合わせとして最も適切なものはどれか。
Q3. 複数拠点のUCSサーバ在庫とポリシーを、クラウドのSaaSから横断的に管理・監視したい。オンプレの単一ドメイン管理では要件を満たせない。最も適切なプラットフォームはどれか。

