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ITストラテジスト試験 のナレッジマップ

ITストラテジスト試験 の主要概念 76 件と、そのつながり。上のマップでノードをクリックすると関連用語や前提をたどれます。下は全概念の索引で、定義と「前提・関連する概念」への内部リンクを掲載しています。

概念一覧(76)

  • イノベーションと破壊的イノベーション

    イノベーションは、技術や仕組みの革新によって新たな価値を生み出すこと。既存製品の性能を段階的に向上させるものを持続的イノベーションと呼ぶのに対し、破壊的イノベーションは、当初は性能が劣っても簡便・低価格などの新たな価値で既存の市場や製品を置き換えてしまう革新を指す。

  • 情報セキュリティ

    情報を漏えい・改ざん・消失などの脅威から守り、安全に使える状態を保つ取り組みの総称です。情報セキュリティでは機密性(許可された人だけが使える)・完全性(内容が正しく保たれる)・可用性(必要なときに使える)の3要素(CIA)を守ることが基本で、ファイアウォールなどの技術的対策だけでなく、パスワード管理や教育といった運用面の対策も含みます。

  • コンプライアンス

    企業が法令・社内規程・業界の行動規範などを遵守する経営上の取り組み。情報セキュリティに限らず、労働関連法規や会計基準など幅広い規範の遵守を指し、違反は企業の信用・存続に直結するため経営リスクとして扱われる。

    前提: 情報セキュリティ

  • 競争戦略

    競合他社に対して自社が優位に立つための戦略の総称。市場・競合を分析するSWOT分析・5フォース分析・PPM、自社の中核的強みを軸とするコアコンピタンス経営などの手法を用い、コスト優位や差別化によって持続的な競争優位の確立を目指す。

    前提: コアコンピタンス5フォース分析SWOT分析

  • 内部統制

    業務が適正・効率的に遂行されるよう、企業が自ら業務プロセスに組み込む仕組み・体制。目的は①業務の有効性・効率性②報告(財務報告)の信頼性③事業活動に関わる法令等の遵守④資産の保全の4つで、統制環境・リスクの評価と対応・統制活動・情報と伝達・モニタリング・ITへの対応の6つの基本的要素から構成される(金融庁実施基準/COSOフレームワーク)。整備・運用の責任は経営者にある。

    前提: コンプライアンス

  • システム化計画

    共通フレーム(SLCP)の企画プロセスは「システム化構想の立案」と「システム化計画の立案」から成り、本用語は後者に当たる。経営戦略・業務課題を受けて、システム化の対象範囲・目的・投資対効果・開発体制・スケジュールを具体化し、次の要件定義プロセスへつなぐ、システム開発の最上流工程。

    前提: 要件定義

    関連: システム化構想(システム化構想の立案)

  • 在庫管理

    欠品による機会損失と過剰在庫による保管コストの両方を抑え、適正な在庫水準を保つための管理。在庫が一定量まで減った時点で発注する発注点方式や、発注1回あたりの費用と保管費用の合計が最小になる発注量を求める経済的発注量(EOQ)などの手法を用いる。

  • クラウド(クラウドコンピューティング)

    サーバやソフトウェアなどのIT資源を自分で所有せず、インターネット経由で必要な分だけ借りて利用する形態。利用者は機器の購入や保守が不要で、使った分だけ料金を払うことが多い。メールやオンラインストレージなど身近なサービスの多くがクラウドで提供されている。

  • MOT(技術経営)

    技術に立脚する事業を行う企業が、技術開発の成果を事業成果や企業価値の向上へ継続的に結び付けていくためのマネジメント手法。

  • SWOT分析

    自社の強み(Strengths)・弱み(Weaknesses)という内部要因と、機会(Opportunities)・脅威(Threats)という外部環境要因を整理し、経営戦略の立案に役立てる分析手法。

  • 要件定義

    システム開発の上流工程で、利用者・発注者が求める機能や性能を明確にし、開発対象の範囲を確定する工程。ここでの認識齟齬は後工程の手戻りに直結するため特に重要。

  • イノベーションのジレンマ

    業界のリーダー企業が、既存の優良顧客の声に真摯に応えて持続的技術に磨きをかけるほど、当初は性能が低く低価格・簡便といった新たな価値を持つ破壊的技術への対応が遅れ、結果としてその破壊的技術に市場を奪われてしまう現象。ストラテジストは、既存事業の合理的な経営判断の積み重ねがかえって将来の脅威を見誤らせるという逆説を踏まえ、既存事業とは別枠で破壊的技術を育てる仕組み(別組織化など)の要否を検討する。

    前提: イノベーションと破壊的イノベーション

  • LTV(顧客生涯価値)

    一人の顧客が取引開始から終了までの期間に自社にもたらす利益の総額。新規顧客の獲得コスト(CAC)と比較することで、マーケティング投資の妥当性や、既存顧客の維持・関係深化にどこまで投資すべきかを判断する指標として用いる。継続率や購入頻度・単価を高める施策はLTVを押し上げ、CACの回収期間の短縮にもつながる。

    前提: 回収期間法(投資回収期間)

  • 回収期間法(投資回収期間)

    投資額を、その投資から生まれる年々のキャッシュフローで回収するまでに要する期間(年数)によって投資案を評価する方法。計算が単純で分かりやすい一方、単純回収期間法は貨幣の時間価値(割引)を考慮せず、回収後に生じる長期的な大きなリターンも評価に反映されないため、NPVやIRRと併用して判断するのが望ましい。時間価値を考慮する場合は割引後の回収期間(割引回収期間法)を用いる。

  • PEST分析

    政治(Politics)・経済(Economy)・社会(Society)・技術(Technology)という4つの外部マクロ環境要因を整理し、事業戦略に与える影響を分析するフレームワーク。ストラテジストは、法規制の改廃や景気動向、人口動態、技術革新といった自社では制御できない環境変化を早期に捉え、SWOT分析の「機会・脅威」を洗い出す前提情報として用いる。

    前提: イノベーションと破壊的イノベーションSWOT分析

  • システム化構想(システム化構想の立案)

    共通フレーム(SLCP)の企画プロセスの最上流にあたる工程で、経営戦略・事業目標を踏まえ、対象とする業務・システム化の範囲や狙いを大づかみに描く段階。後続の「システム化計画の立案」がスコープ・体制・スケジュール・投資対効果を具体化するのに対し、システム化構想はその前提となる経営上のねらい・対象業務の方向性を経営層と合意する位置づけにある。ITストラテジストは、経営戦略と整合したシステム化構想を描き、経営層の承認を得たうえで具体的な計画へ落とし込む役割を担う。

    関連: システム化計画

  • VRIO分析

    自社の経営資源が持続的な競争優位の源泉となり得るかを、経済価値(Value)・希少性(Rarity)・模倣困難性(Imitability)・組織(Organization)の4つの問いで診断するフレームワーク。バリューチェーンやコアコンピタンス分析で洗い出した資源・能力について、この4条件をすべて満たす資源だけが持続的競争優位をもたらすと判断し、投資すべき資源を絞り込むために用いる。組織(O)が欠けると、価値・希少性・模倣困難性を満たしていても優位を活かしきれない点に注意する。

    前提: コアコンピタンスバリューチェーン(価値連鎖)

  • 損益分岐点売上高

    利益がちょうどゼロになる売上高。損益分岐点売上高=固定費÷(1-変動費率)(変動費率=変動費÷売上高)で求める。実際の売上高がこれを上回れば黒字、下回れば赤字となり、経営の安全余裕度(安全余裕率)を測る指標としても用いられる。

    前提: 固定費と変動費損益分岐点

  • 委託事業者と中小受託事業者

    中小受託取引適正化法(旧・下請法)における取引当事者の呼称。発注する側が委託事業者、受注する中小企業が中小受託事業者で、2026年1月の法改正・名称改定に伴い旧称の「親事業者」「下請事業者」から改められた。委託事業者には代金支払遅延の禁止など優越的地位の濫用を防ぐ義務が課される。

    関連: 中小受託取引適正化法

  • デジュールスタンダードとデファクトスタンダード

    標準規格の成立過程による分類。ISO・JISなど公的な標準化団体が公式な手続きを経て制定する規格がデジュールスタンダード、公的な認定手続きを経ずに市場での実質的な普及・シェア獲得によって事実上の標準となった規格がデファクトスタンダード。

    前提: 標準化団体(ISOとJIS)

  • 魔の川・死の谷・ダーウィンの海

    技術経営(MOT)で、基礎研究の成果が事業として成功するまでに直面する3つの障壁を表す比喩。基礎研究から製品開発へ進めるかの関門が「魔の川」、開発した製品化に必要な事業化資金・体制の壁が「死の谷」、市場に出た製品が競合や顧客の受容という淘汰にさらされる段階が「ダーウィンの海」。

    前提: MOT(技術経営)

  • 5フォース分析

    業界の競争構造と収益性を、既存競合者間の敵対関係・新規参入の脅威・代替品の脅威・買い手の交渉力・売り手の交渉力という5つの競争要因から分析するフレームワーク。各要因が強いほど業界の収益性は圧迫されると考え、自社の事業戦略立案に用いる。

  • 固定費と変動費

    総費用を売上高(生産量)との関係で分解した2区分。地代家賃や固定給のように売上高の増減にかかわらず一定額発生する費用が固定費、原材料費や出来高給のように売上高に比例して増減する費用が変動費。損益分岐点分析やCVP分析の基礎となる。

    関連: 損益分岐点

  • オープンイノベーション

    自社内部の技術・知識だけに頼らず、社外の企業・大学・研究機関などが持つ技術やアイデアを積極的に取り込んで革新を進める経営手法。逆に自社の未活用技術を外部へ提供・ライセンスする場合もあり、内部資源だけで完結するクローズドイノベーションと対比される。

    前提: イノベーションと破壊的イノベーション

  • バリューチェーン(価値連鎖)

    企業の事業活動を購買・製造・出荷・販売・サービスなどの主活動と、人事・調達・技術開発などの支援活動に分解し、どの活動が付加価値を生んでいるかを分析するフレームワーク。

  • 損益分岐点

    売上高と総費用(固定費+変動費)がちょうど一致し、利益も損失も出ない売上高(または販売数量)。損益分岐点比率が低いほど、少ない売上でも黒字化しやすい体質と言える。

    関連: 固定費と変動費

  • 機能要件

    システムが「何をするか」を定めた要件。たとえば「商品を検索できる」「注文を登録できる」といった、利用者が使う具体的な機能のこと。性能や安全性など品質面を定める非機能要件と対になる。

    関連: 非機能要件

  • 非機能要件

    機能そのものではなく、性能・可用性・セキュリティ・保守性など、システムの品質面に関する要件。要件定義で機能要件と併せて明確にしておく必要がある。

    前提: 要件定義

    関連: 機能要件

  • 中小受託取引適正化法

    委託事業者が中小受託事業者へ発注する取引の適正化を図る法律(旧・下請法。2026年〈令和8年〉施行予定、シラバスVer.6.5で名称改定)。名称変更に伴い旧「親事業者/下請事業者」は「委託事業者/中小受託事業者」に改称された。代金の支払遅延・不当な減額・買いたたきなどを禁止するほか、割引困難な手形(サイトの長い手形等)による支払など支払手段を規制する(手形払いを一律禁止するものではない)。

    関連: 委託事業者と中小受託事業者

  • 両利きの経営

    既存事業の深化(Exploitation=効率化・磨き込みによる収益確保)と、新規事業の探索(Exploration=不確実な新領域への挑戦)という、性質の異なる2つの活動を組織内で両立させる経営のあり方。ストラテジストは、深化に偏ると環境変化への対応力を失い(イノベーションのジレンマ)、探索に偏ると収益基盤を失うという相反関係を踏まえ、両者を同じ組織内で共存させるか、別組織に分離して経営陣がバランスを取るかを設計する。

    前提: イノベーションと破壊的イノベーションイノベーションのジレンマ

  • キャズム

    イノベータ理論において、初期市場(イノベーターとアーリーアダプター)とメインストリーム市場(アーリーマジョリティ以降)との間に存在するとされる、需要が一時的に途切れる深い溝。新技術・新製品が実用性や信頼性を重視する多数派に受け入れられるには、話題性や先進性を評価する初期市場向けとは異なるマーケティング・製品戦略への転換が必要になる。ストラテジストは自社製品が今どちらの市場にいるかを見極め、キャズムを越えるための施策(実績づくり・特定用途への絞り込みなど)を判断する。

    前提: イノベーションと破壊的イノベーションイノベータ理論(普及曲線)

  • IRR(内部収益率)

    投資案の正味現在価値(NPV)がちょうどゼロになる割引率のことで、その投資が生み出す実質的な収益率を表す指標。IRRが資本コスト(要求収益率)を上回っていれば投資は採算に合うと判断でき、複数案の比較ではIRRが高いほど有利とされる。ただしキャッシュフローのパターンによっては解が複数存在したり、投資規模の違いを反映しにくい場合がある点に注意が必要。

    前提: NPV(正味現在価値)

  • 限界利益と限界利益率

    限界利益は、売上高から変動費を差し引いた金額(限界利益=売上高-変動費)で、固定費の回収と利益の源泉となる。限界利益率は売上高に対する限界利益の割合(限界利益率=限界利益÷売上高)で、損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率(=固定費÷(1-変動費率))の算出に用いられる。限界利益率が高い製品・事業ほど、売上増加が利益に寄与しやすい。

    前提: 損益分岐点売上高固定費と変動費損益分岐点

  • ROI(投資利益率)

    投資によって得られた利益を投資額で割って算出する収益性の指標(ROI=利益÷投資額)。値が大きいほど投資効率が良いと判断できるが、投資回収に要する期間やキャッシュフローの時間価値は反映されないため、NPV・IRR・回収期間など他の指標と組み合わせて投資判断を行うことが望ましい。

    前提: 回収期間法(投資回収期間)

  • SoRとSoE(記録のシステム/エンゲージメントのシステム)

    SoR(システム・オブ・レコード)は基幹業務データを正確に記録・管理する安定性重視のシステムで、勘定系や在庫管理などが該当する。SoE(システム・オブ・エンゲージメント)は顧客や従業員との接点でスピーディーな価値提供を重視するシステムで、モバイルアプリやSNS連携などアジリティが求められる。ITストラテジストはDX推進の際、堅牢性が要のSoRを維持しつつ、変化への俊敏な対応が要のSoEを外側に構築する二層構造で全体最適化を図る。

    前提: 在庫管理

  • サブスクリプションモデル

    商品やサービスの所有権を一括で売り切るのではなく、一定期間の利用権に対して定期的に対価を受け取る収益モデル。利用実績データを継続的に得られるため顧客ニーズの変化を捉えやすく、解約率(チャーンレート)や顧客生涯価値(LTV)の管理が事業の成否を左右する。ITストラテジストは売り切り型からの転換によって収益の安定化と顧客との継続的な関係構築を狙う。

    前提: LTV(顧客生涯価値)

  • コアコンピタンス

    他社が容易に模倣できない、企業の中核となる独自の強み(技術力・ノウハウなど)。特定の製品や事業に固有のものではなく、複数の事業領域に展開・応用できる点が特徴で、これを軸に事業ドメインを定義し競争優位を持続する経営戦略の考え方。

  • デシジョンツリー

    複数の選択肢とその結果を樹形図で表し、各分岐の発生確率と利得から期待値を計算して最適な意思決定を導く経営科学の手法。不確実性を伴う投資判断やプロジェクト選択の評価に用いられ、各枝の期待値(確率×利得の総和)を比較して最も有利な選択肢を選ぶ。

    前提: 期待値

  • デジタイゼーションとデジタライゼーション

    DXに至る段階を表す用語。デジタイゼーションは紙の書類を電子化するなど、既存の業務・情報をそのままデジタルな形式に置き換える段階。デジタライゼーションは、デジタル技術を使って業務プロセスや顧客接点そのものを変革する段階で、単なる電子化にとどまらない点がデジタイゼーションと異なる。

  • 期待値

    確率変数が取り得る各値に、その値が発生する確率を掛けて合計した値。E(X)=Σ(x_i×p_i)で求め、試行を多数回繰り返したときの結果の平均的な見込みを表す。意思決定の期待利得の比較や、品質管理・保険料算定など幅広い分野で用いられる。

  • 標準化団体(ISOとJIS)

    規格の統一を図る標準化団体。ISO(国際標準化機構)は国際的な標準規格を策定する機関で、ISO 9001(品質マネジメント)やISO/IEC 27001(情報セキュリティマネジメント)などがある。JIS(日本産業規格)は日本国内の産業標準で、国際規格に整合して制定されることが多い。相互運用性の確保と取引の円滑化が標準化の目的である。

    前提: 情報セキュリティ

  • BPR(業務プロセス改革)

    既存の組織や業務ルールを前提とせず、業務プロセス・組織構造・情報システムを根本から見直し、抜本的に再設計する取り組み。部分的な改善(カイゼン)とは異なる。

    前提: 経営組織

  • DX(デジタルトランスフォーメーション)

    データとデジタル技術を活用して、製品・サービス・ビジネスモデルや組織・企業文化を変革し、競争上の優位性を確立すること。単なるIT化(デジタイゼーション)とは目的が異なる。

    前提: デジタイゼーションとデジタライゼーション

  • 産業財産権

    特許権・実用新案権・意匠権・商標権の4つを指す総称。著作権と異なり、権利を得るには特許庁への出願・登録が必要。

    前提: 著作権

  • 知的財産権

    発明・著作物・デザイン・商標などの創作的な成果を保護する権利の総称。大きく著作権と産業財産権(特許権・実用新案権・意匠権・商標権)に分けられる。

    前提: 著作権産業財産権

  • IT統制

    内部統制を情報システムの面から支える仕組みで、業務が正しく安全に行われるようITで管理・制御すること。アクセス権限の管理や変更管理などシステム全体に共通する統制と、入力チェックや照合など個々の業務処理の正確さを守る統制からなる。

    前提: 内部統制

  • セグメンテーション

    市場をニーズや属性(年齢・地域・嗜好など)が似た顧客グループに分けることです。マーケティングでは、分けたグループの中から狙う相手を絞り込み(ターゲティング)、その層に合った商品や訴求を考える出発点になります。

  • 非機能要求グレード

    IPAが公開する、可用性・性能/拡張性・運用保守性・移行性・セキュリティ・システム環境/エコロジーといった非機能要求を、発注者と受注者が段階的なグレードとして具体的に合意するための体系・ツール群。抽象的で見落とされやすい非機能要求を項目とレベルで可視化し、要求水準の認識齟齬やコスト見積りの食い違いを防ぐ。システムアーキテクトはこれを用いて非機能要求を漏れなく引き出し、アーキテクチャ設計の前提として確定させる。

    前提: 機能要件非機能要件

  • 情報セキュリティガバナンスとコーポレートガバナンス

    コーポレートガバナンス(企業統治)とは、株主・取締役会等が経営者の経営を監督し、経営の透明性・健全性を確保する仕組み。情報セキュリティガバナンスは、経営者が主導してセキュリティに関する方針決定・資源配分・監督を行う、コーポレートガバナンスの一部を構成する枠組みである。経営者自身がリーダーシップを発揮し、セキュリティを単なるIT部門の課題ではなく経営課題として位置づける点が特徴。

    前提: 情報セキュリティコーポレートガバナンス(企業統治)

  • BPM(ビジネスプロセスマネジメント)

    業務プロセスを可視化・分析し、継続的に測定・改善するマネジメント手法。BPR(業務プロセス改革)が一度きりの抜本的な作り直しを指すのに対し、BPMはPDCAサイクルを回しながら継続的に業務プロセスの効率と品質を高めていく点が特徴。ITストラテジストはBPMツールでプロセスの実行状況を可視化し、経営目標に沿った継続的な業務改善の仕組みを事業戦略に組み込む。

    前提: BPR(業務プロセス改革)PDCAサイクル

  • 会社法と金融商品取引法

    会社法は、株式会社をはじめとする会社の設立・組織・運営・機関設計(株主総会・取締役会等)や、計算書類の作成・開示など、会社に関する基本的なルールを定める法律。金融商品取引法(金商法)は、有価証券の発行・流通や金融商品取引業を規制し、投資家保護や公正な市場を確保するための情報開示(有価証券報告書等)や内部統制報告制度(J-SOX)を定めている。両法は上場企業のガバナンスや情報開示のあり方に密接に関わり、企業のコンプライアンス・内部統制設計の前提となる。

    前提: コンプライアンス内部統制

  • コーポレートガバナンス(企業統治)

    企業経営が株主をはじめとするステークホルダーの利益に沿って適切に行われるよう、経営者を規律づけ監督する仕組み。取締役会・監査役・社外取締役による経営の監督、情報開示、内部統制の整備などを通じて、経営の透明性・健全性・説明責任を確保する。ITストラテジストは、IT戦略やIT投資が経営の監督・説明責任の枠組みに沿うよう、ITガバナンスをコーポレートガバナンスと整合させる立場にある。

    前提: 内部統制

  • イノベータ理論(普及曲線)

    新しい製品・技術が市場に普及していく過程を、採用の早い順にイノベーター・アーリーアダプター・アーリーマジョリティ・レイトマジョリティ・ラガードの5類型に分類する理論。ストラテジストは、自社製品が今どの採用者層に届いているかを踏まえ、初期市場ではイノベーターやアーリーアダプターの評価に訴える先進性重視の施策を、普及期には多数派に訴える実績・信頼性重視の施策へ転換すべきと判断する。

    前提: イノベーションと破壊的イノベーション

  • フィジビリティスタディ(実現可能性分析)

    システム化構想・企画段階で、技術面・コスト面・スケジュール面・組織面などの観点から、当該プロジェクトが実現可能かどうかを事前に検証する分析。実施の結果、実現困難な要因(リスク)が判明した場合は、計画の見直しや代替案の検討、あるいは中止の判断につなげる。共通フレームの企画プロセスにおいて、システム化計画の立案と並行して行われることが多い。

    前提: システム化計画システム化構想(システム化構想の立案)

  • リーンスタートアップとMVP

    リーンスタートアップは、事業アイデアの検証されていない仮説を、最小限の機能で実用に足る製品「MVP(Minimum Viable Product)」を素早く作って顧客に試してもらい、そこから学びを得て(構築-計測-学習のサイクル)方向転換(ピボット)か継続かを判断する新規事業開発の手法。ストラテジストは、需要が不確実な新規事業では詳細な事業計画よりも、MVPによる低コストな仮説検証を優先すべきと判断する際にこの手法を用いる。

    前提: 検定(仮説検定)

  • NPV(正味現在価値)

    投資によって将来得られるキャッシュフローを一定の割引率で現在価値に割り引いて合計し、そこから初期投資額を差し引いた金額。NPVが正(NPV>0)であればその投資は採算が取れると判断され、複数の投資案がある場合はNPVが最大の案を選ぶのが基本原則。金額そのもので投資規模の違いを反映した絶対評価ができる点が回収期間法との違い。

    前提: 回収期間法(投資回収期間)

  • プロダクトイノベーションとプロセスイノベーション

    プロダクトイノベーションは新しい製品・サービスそのものを生み出す革新、プロセスイノベーションは既存製品を生産・提供する工程・方法を革新して効率やコストを改善することを指す。ストラテジストは、事業の成長初期には差別化のためプロダクトイノベーションを、成熟期にはコスト競争力のためプロセスイノベーションを重視するというように、事業のライフサイクル段階に応じて投資の力点をどちらに置くかを判断する。

    前提: イノベーションと破壊的イノベーション

  • 相見積り

    同一の調達条件を複数の供給者に提示し、それぞれから見積書を取得して価格・納期・品質を比較検討する調達手法。特定業者との癒着や不当に高い価格での契約を防ぎ、調達の透明性・妥当性を高める目的で用いられる。

  • IT全般統制とIT業務処理統制

    IT統制のうち、アクセス管理・変更管理・運用管理などシステム全体に共通する基盤的な統制がIT全般統制、個々の業務システムにおける入力・処理・出力の正確性を担保する統制(入力チェック・照合・承認など)がIT業務処理統制。IT全般統制が有効でないと、個々のIT業務処理統制の信頼性評価も揺らぐという依存関係にある。

    前提: IT統制

  • 検定(仮説検定)

    標本データをもとに、母集団に関する仮説が統計的に妥当かどうかを判断する手法。否定したい仮説を帰無仮説、採用したい仮説を対立仮説として立て、帰無仮説が正しいと仮定したときの観測結果の起こる確率(p値)を有意水準と比較し、p値が有意水準より小さければ帰無仮説を棄却する。判断の誤りには、正しい帰無仮説を棄却する第一種の過誤と、誤った帰無仮説を採択する第二種の過誤がある。

  • 経営組織

    企業が事業を遂行するために編成する組織の形態。業務内容ごとに部門を分ける職能別組織、製品・地域などの単位で自己完結的に編成する事業部制組織、職能軸と事業軸を格子状に組み合わせるマトリックス組織などがあり、事業戦略や規模に応じて選択される。

  • ソリューションビジネス

    個々の製品を単体で売るのではなく、顧客が抱える経営課題や業務課題の解決策(ソリューション)を、ハードウェア・ソフトウェア・サービスを組み合わせて提供する事業形態。SaaS/PaaS/IaaSなどのクラウド利用型や、システム構築・運用を一括受託するアウトソーシング型などの形態がある。

    前提: クラウド(クラウドコンピューティング)

  • BSC(バランススコアカード)

    財務・顧客・業務プロセス・学習と成長という4つの視点から経営を評価し、戦略目標と日々の業務活動を結び付ける経営管理手法。財務指標だけに偏らない多面的な評価が特徴。

  • 生成AI(ジェネレーティブAI)

    文章・画像・音声・プログラムコードなど新たなコンテンツを生成できるAI。業務効率化に有用な一方、誤った情報をもっともらしく生成するハルシネーションや著作権侵害のリスクにも注意が必要。

    前提: 著作権

  • ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)

    組織が情報資産を適切に保護するために、方針の策定からリスクアセスメント、対策の実施、見直し(PDCA)までを体系的に運用する管理の仕組み。国際規格ISO/IEC 27001に基づく認証制度がある。

    前提: 情報セキュリティ

  • PDCAサイクル

    Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)を繰り返すことで業務やマネジメントを継続的に改善する手法。1周で終わらせず、Actの結果を次のPlanへつなげる点が重要。

  • POSシステム

    販売時点情報管理(Point Of Sale)システム。レジでの商品販売と同時に商品コード・数量・売上時刻などを記録し、在庫管理や販売戦略の分析に活用する仕組み。

    前提: 在庫管理

  • 調達(計画と実施)

    システム開発などを外部のベンダーに依頼するために、必要なものを選んで手に入れる一連の活動。まず何をどのように調達するかを決める「計画」を立て、次にRFI(情報提供依頼)やRFP(提案依頼)、相見積りなどを通じて発注先を選び契約する「実施」を行う。

    前提: 相見積り

  • クラウドサービスの提供形態(SaaS・PaaS・IaaS)

    クラウド事業者が提供する範囲によって分類される3形態。SaaSはアプリケーションそのものを、PaaSはアプリケーション実行基盤を、IaaSはサーバーやネットワークなどのインフラを、それぞれサービスとして提供する。

    前提: クラウド(クラウドコンピューティング)

  • 職務分掌(内部統制における)

    不正や誤りを防ぐため、承認・実行・記録・保管といった一連の業務を1人に集中させず複数人で分担させる内部統制の基本原則。

    前提: 内部統制

  • 技術ロードマップ

    将来の技術動向や自社の技術開発計画を時間軸に沿って図示したもの。MOT(技術経営)において、研究開発投資の意思決定や事業戦略との整合を図る際に用いる。

    前提: MOT(技術経営)

  • 情報セキュリティポリシ(3階層)

    組織の情報セキュリティに関する意思決定を文書化した体系。最上位の「基本方針」(経営層が定める理念・宣言)、それを具体化する「対策基準(スタンダード)」(守るべきルール)、実務手順を示す「実施手順(プロシージャ)」の3階層で構成される。上位ほど変更頻度が低く、下位ほど具体的で更新頻度が高い。

    前提: 情報セキュリティ

  • ブルーオーシャン戦略

    既存の競争が激しい市場(レッドオーシャン)を避け、価値を高めながらコストを下げる「バリューイノベーション」によって、競争のない新たな市場空間を切り開く戦略。ストラテジストは、業界の既存の枠組みで何を取り除き・減らし・増やし・付け加えるかを検討するアクションマトリクスなどを用い、差別化とコストリーダーシップを同時に追求できないかを判断する。

    前提: イノベーションと破壊的イノベーション

  • STP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)

    市場を属性やニーズで細分化する「セグメンテーション」、狙うセグメントを選ぶ「ターゲティング」、選んだセグメントの中で自社製品を競合と比べてどう位置付けるかを決める「ポジショニング」の3段階からなるマーケティング戦略立案プロセス。ストラテジストはSTPを経て初めて4Pや4Cといった具体的なマーケティング施策を設計できると位置付け、ポジショニングでは競合と異なる軸で優位性を主張できるかを重視する。

    前提: セグメンテーション

  • 戦略マップ(BSC)

    BSC(バランススコアカード)の財務・顧客・内部業務プロセス・学習と成長という4つの視点間の因果関係を1枚の図に可視化したもの。「学習と成長」の向上が「内部プロセス」の改善につながり、それが「顧客」満足を高め、最終的に「財務」成果に結び付くという戦略ストーリーを示す。ストラテジストは戦略マップによって、抽象的な経営戦略を現場のKPIまで一貫した因果の連鎖として説明し、組織内の合意形成に用いる。

    前提: BSC(バランススコアカード)